Vol.5 No.4 2012
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研究論文:固体酸化物形燃料電池(SOFC)単セル/スタックの発電性能試験方法の規格化における不確かさ評価(門馬ほか)−247−Synthesiology Vol.5 No.4(2012)4 SOFCの特性測定における不確かさ4.1 不確かさ影響因子の実験的検証による選別SOFCの特性は、セル温度、燃料流量、空気流量、動作圧力、温度分布等に依存する。したがって、これら入力量の制御や測定の不確かさは、測定量の不確かさに影響を及ぼすこととなる。我々は、これら多くの入力量が測定量の不確かさに及ぼす影響を調査し、調査結果をもとに不確かさ評価に取り入れるべきものとそうでないものとに分けることとした。図2(a)には例として雰囲気の圧力を変えて測定した単セルの電圧の圧力依存性を示す。測定は開回路電圧(電流=0A)、燃料利用率50 %(電流=24.4 A)、燃料利用率70 %(電流=34.1 A)の3条件で行っている。それぞれの曲線の傾きは、電流やガス流量を一定に保ってセル電圧を測定したときに、圧力が設定値からずれた際の電圧測定値の不確かさへの寄与の大きさを示すことになる。図に示したデータから求めたセル電圧の圧力依存性は、1気圧近辺では0.3μV/Pa程度であり、通常の使用気圧の範囲内で測定が行われるならば、気圧変動による測定量Vの不確かさのへの影響は小さいと考えることができることが分表1 規格案で定めた許容変動幅、機器不確かさおよび入力量の不確かさ評価への対応図2 セル電圧の各種燃料利用率における圧力依存性(a)電解質支持タイプセル、 (b)アノード支持タイプセル開回路電圧燃料利用率:50 %燃料利用率:70 %開回路電圧燃料利用率:50 %燃料利用率:70 %雰囲気圧力 / MPa雰囲気圧力 / MPaセル電圧 / Vセル電圧 / V(b)(a)10.10.010.60.70.70.80.80.90.9111.11.11.210.10.01Tcell=750 ℃ H2:340ml/mineffective area:113 cm2Tcell=700 ℃ H2:300 ml/mineffective area:100 cm2サイズが大きなセル・スタックのように対象が複数の温度測定点を有する場合には許容温度分布幅を製造者が定めて、測定はその範囲内で行うこととし、不確かさ評価には含めない。100 cm2程度の平板セルでは温度分布が少ないことを実験により確認。温度分布通常は圧力を変えて測定できないので不確かさ評価に含めない。ただし、試験時の大気圧を測定する。また、不確かさに与える影響は少ないことを実験により確認したが、試験圧力が1気圧と大きく異なる場合等は問題となる可能性もある。大気圧読み値の±1 %酸化剤ガス圧力読み値の±1 %燃料ガス圧力×(性能に影響を与えないような温度と規定)-----読み値の±1 %性能に影響を与えないような温度であれば問題ない酸化剤温度×(性能に影響を与えないような温度と規定)-読み値の±1 %性能に影響を与えないような温度であれば問題ない燃料温度△(一部不可)ガス製造者が発行する組成表の提出等で対応混合ガスの供給方式による。単独で組成を変えることは出来ないO2濃度について±0.3 mole% (N2 バランス)O2 ±0.3 mole% (N2 バランス)酸化剤組成△(一部不可)ガス製造者が発行する組成表の提出等で対応混合ガスの供給方式による。単独で組成を変えることは出来ないH2, H2O, N2は±2 mole%、CO,CO2, CH4は±1 mole%H2, H2O, N2は±1 mole%、CO, CO2, CH4は±0.25 mole%燃料組成◯実験により決定(定格流量±10~20 %程度の流量幅で測定)読み値の±1 %定格値の±1%酸化剤流量◯実験により決定(定格流量±10~20 %程度の流量幅で測定)読み値の±1 %定格値の±1 %燃料流量◯実験により決定(定格温度±50 ℃程度で測定)定格温度の±1 % (℃)設定値の±1 % (℃)ユニット温度◯実験により決定定格電流の±1 %電流制御の場合 定格電流の±1 %電流◯実験により決定開回路電圧の±0.5 %電圧制御の場合 設定値の±1 %電圧不確かさ評価への対応感度係数の測定測定機器不確かさ変動の許容範囲入力量××××
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