Vol.5 No.3 2012
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研究論文:圧電体薄膜を用いた圧力センサーの開発(秋山ほか)−170−Synthesiology Vol.5 No.3(2012)り佐賀大学大学院客員准教授。2007年より生産計測技術研究センター主任研究員。耐熱合金、耐酸化コーティング、耐熱AEセンサー、異常放電検知、摩擦摩耗等の研究に従事。この論文では、主として圧電素子の高温特性評価を担当した。岸 和司(きし かずし)1979年愛媛大学工学部工業化学科卒業。同年農林水産省肥飼料検査所入所、翌年工業技術院九州工業技術試験所入所。現在(独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究センタープロセス計測チーム主任研究員。工学博士。この論文ではセンサーの試作、積層構造の開発およびエンジンによる評価を担当した。査読者との議論議論1 市販車への燃焼圧センサーの搭載質問(岡路 正博:(株)チノー、阿部 修治:産業技術総合研究所)(1.2節)自動車エンジンの燃焼圧センサーが量産車に搭載された例として、トヨタ自動車のピエゾ抵抗式センサーが挙げられていますが、「現在は既に使用されていない」と書かれています。使用が中止された理由は何だったのでしょうか? また、これが唯一の過去の事例であって、現在は(海外の自動車メーカーも含めて)どの量産車にも搭載されている例は無いと理解して良いでしょうか?回答(秋山 守人)トヨタ自動車のピエゾ抵抗式センサーの使用が中止された詳細な理由はわかりません。また、詳細に調べた結果、ドイツのプラグメーカーであるBERUが米国のテキサスインスツルメンツ社と共同開発したピエゾ抵抗式グロープラグ型燃焼圧センサーが、2009年からアウディ社やフォルクスワーゲン社のクリーンディーゼル車の一部に搭載され、欧州や北米で発売されています。この内容を本文中に反映させるために、一部修正を行いました。議論2 圧電型センサーの短所質問(岡路 正博、阿部 修治)(1.2節)圧電型センサーは「絶対圧力計測ができない等の短所もある」と書かれていますが、これは実用上問題ではないのかどうか、お伺いしたい。回答(秋山 守人)自動車エンジンの燃焼圧は急激に変化しているために、圧電型センサーでも測定することは可能です。しかし、誤解を生じては困りますので、必要ない部分の「絶対圧力計測ができない等の短所もある」を削除しました。議論3 産総研において研究を継続する理由質問(岡路 正博、阿部 修治)(5章)「数多くの課題がまだ残されており、いまだ死の谷から抜け出せていない状況」ということですが、耐久性実証試験等は、民間企業が開発すべきフェーズに入ったとも受け取れます。それとも、まだ産総研や大学での研究開発が必要であるという状況でしょうか? もう産総研が行うべきステージが過ぎたのではないかという印象をもたれますので、産総研が引き続き研究を続けるべき理由を明確にする方が良いと思います。回答(秋山 守人)耐久性実証試験等は、民間企業が開発すべきフェーズに入っています。しかし、よりセンサーの完成度を高めるためには、センサー信号の安定化や高出力化、センサー構造の簡素化等まだ改善すべき点が残されています。そこで、産総研が行うべきこととして、5章の終わりにこの内容を追記しました。議論4 当該センサーと市販センサーとの比較質問(岡路 正博)(4.2節)図13に示されているように、当該センサーと市販センサーとの比較で論理を展開されていますが、発生電荷量が市販センサーと同等レベルならば車載用センサーとしての条件を満足するのでしょうか? 回答(秋山 守人)4.2節に「発生電荷量が市販センサーと同等レベルならば車載用の実用的なセンサーとしての最低感度は満足していると判断している。」という文章を追記しました。

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