Vol.5 No.2 2012
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研究論文:災害救助支援のための情報共有プラットフォーム(野田)−117−Synthesiology Vol.5 No.2(2012)モリ512 MB)を用いて30分間で8,000件を越える住民通報を受けつつ他の情報システムやシミュレーションの連携を取り持つことに成功している。この性能は中規模都市の災害情報システム連携としては十分と考えられ、いざというときには用済みのPCを活用して情報システムを稼働させることもできるようになっている。これを容易にするために、USBでブートすれば自動でDaRuMaが稼働するLinuxのライブイメージも作成している。DaRuMaの開発と平行して、DaRuMaと各種システムを接続するツール群の開発・整備も進めている。減災情報共有プラットフォームでは、すべてのモジュールはDaRuMaとMISPにより通信することになっている。しかし既存の災害情報システムをすべてMISP対応に変更することは現実的ではない。それよりも、図6の右半分のように、既存のシステムの機能をできるだけ活用して部分的にでも連携を実現し、システム更新のタイミング等で徐々に連携を深めていくことが有効であると考えられる。以下にあげるように、DaRuMaのツール群はそれらの部分的連携を支援するものとして開発されてきている。・CSV接続ツールCSV(Comma Separated Value)形式で書き出されたデータをXMLに変換し、MISPを通じてDaRuMaに登録するツール。また逆に、MISPにより取得したデータをCSV形式ファイルに変換するツール。多くの災害情報システムには、表計算ソフトの汎用データ形式であるCSVファイルの入出力をサポートしていることが多い。この接続ツールを整備することで、部分的な連携自動化が可能となる場合がある。この連携自動化のために、定期的に時間的差分データを入出力したり、DaRuMaからのデータ取得に条件を指定したりする機能をもつ。・GISビューワ連携ツールDaRuMaに格納されている情報のうち地図上の位置に結び付けられた情報(地物、Feature)を、KML等に変換し、GoogleEarthやGoogleMap等のGISビューワに表示するツール。地物が主体となる災害情報では、モジュール間の連携をとるためにはデータベースに格納されている情報を随時地図上で確認できることが大切である。また連携支援だけでなく、GoogleEarth等の高性能で無償・廉価なGISビューワは関係機関への情報提供手段としても有効であり、それへの接続ツールの存在は既存ソフトウエアの利活用の上でも重要である。・ログ再生ツールDaRuMaへのMISPの通信やデータベースの操作をタイムスタンプ付きで記録したログを活用し、共有情報の変化を時間軸を含めて再現するツール。複数モジュールの連携を調整する場合、それらのモジュールを絶えず利用可能にしておくことが難しい場合がある。特に複数の組織・機関に跨がる連携を進める場合、連携調整のために相手先のモジュールを利用できる機会は限られる。ログ再生ツールは、記録しておいた相手先モジュールの動作を擬似的に再現できるため、連携調整を簡便にすることが可能となる。また、このツールは擬似的な合同訓練を実施する場合にも活用できる。3 データ仲介を核とした災害情報システム連携3.1 システムのライフサイクルとデータの継続性災害情報を共有・活用する仕組み、特に情報システムを設計する上で留意しなければならないのが、災害と情報技術のライフサイクルの違いである。MySQL/PostGISSQLMISP 処理器(Java)DaRuMaMISPアプリケーション図5 DaRuMaの構造図6 減災情報共有プロトコルMISPとDaRuMaによるシステム統合新規開発アプリケーション既存アプリケーション純正MISPアプリjavaアプリC++/C#アプリ既存XMLアプリ既存GISアプリ既存CSVアプリXML変換CSV変換GIS format変換MISPライブラリ(java)MISPライブラリ(java)MISPライブラリ(java)MISPライブラリ(java)MISPライブラリ(C++/C#)DaRuMaMISP

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