Vol.5 No.2 2012
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研究論文:サンゴ骨格分析による過去の気候変遷の復元(鈴木)−88−Synthesiology Vol.5 No.2(2012)が大きく期待される研究分野と言えます。そのような意味で、地球科学以外にも多くの研究者や実務者にも関心のある分野であることから、専門用語をできるだけ使わない今回の努力は読者に大きなインパクトを与えます。そのような意味で、分野外の読者にも内容を理解できるよう、「鮮新世」「完新世」「中生代」「ジュラ紀」「小氷期」といった年代区分を補足説明する表の作成をお願いします。回答(鈴木 淳)地質時代の区分については、末尾に「用語解説」を作成して、補足説明をしました。「小氷期」「完新世」「鮮新世」「中生代」について解説をしました。議論3 シンセシオロジー論文としての構成コメント(内藤 耕)全体の理解をさらに進めるために、論文中で利用しているデータがどのような意味をもち、それぞれがどのような相互関係をもっているのかをチャートとして1枚の図を作成し、論文の最後に挿入されることを薦めます。論文を読み進めばそれらは理解できますが、専門外の人がゆっくり読み、最後に全体の論旨や構造の理解を助けることになります。回答(鈴木 淳)改訂に際し、あらたに図を加えました。図11として、論文中で取り上げた3つの研究「サンゴ骨格から復元された石垣島と小笠原・父島の近過去の気候変動」、「鮮新世温暖期の化石サンゴによるエルニーニョ現象の復元」、「異常高水温現象によるサンゴ白化現象」についてデータの意味および解釈、相互の関係を説明することを試みました。また、さらに図12として、サンゴ骨格気候学の研究展開に係るスキームを整理したチャートを用意しました。図11および図12により、現在取り組んでいるサンゴ骨格気候学の全体構造を俯瞰していただけるものと思います。議論4 さまざまな指標を複合的に評価することの強調コメント(内藤 耕)要旨を読みますと自然現象の理解が前面に出ており、より統合的アプローチとしてのシンセシオロジーを明確にするために、まとめの節にあるとおりさまざまな指標を複合的に評価し、現象を正確に理解することの重要性を強調されるとよいと思います。回答(鈴木 淳)ご指摘のとおり、サンゴ骨格を対象とした地球化学的手法による気候変遷の復元では、短所長所のある指標を複合的・総合的に評価し、当時の気候を正確に復元することが極めて大切です。この観点を、要旨と(はじめに)で強調しました。議論5 新たな地球化学的指標の導入によるブレークスルーコメント(富樫 茂子)旧図2に関しては、AUSCOREの引用ですが、新たな地球化学的指標を導入することによりブレークスルーをする様子がわかるよいグラフです。できればこれに加えて産総研のグループの寄与を示すことはできないでしょうか?回答(鈴木 淳)旧図2は、改訂版では図3となりました。このヒストグラムの中に、産総研グループによる論文を示すように変更致しました。議論6 化石サンゴに記録されている過去の気温変化のスケールコメント(富樫 茂子)現世サンゴに記録されている気温変化の観察を、化石サンゴに適用できるという部分は、過去の年代的な拡がりをよりわかりやすくするために、鮮新世以降のおよその気温変化を示してください。回答(鈴木 淳)新たに追加した図2aに、鮮新世以降の対象とする地質時代全体について、気温の復元図を示し、大局的な傾向を分りやすく示すことを試みました。なお、この気温復元は、深海底堆積物の柱状試料から得られた底生有孔虫の炭酸塩殻の酸素同位体比を元に、南極域について現在との気温差を推定したもので、緯度や地域により気温差の絶対値については大きく違う可能性があることにご留意下さい。
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