Vol.5 No.1 2012
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−79−Synthesiology Vol.5 No.1(2012)編集後記シンセシオロジー5巻1号では、研究論文5編とワークショップ報告1編をお届けします。研究論文の主題は、情報、ライフ、計測、エネルギーと多彩です。いずれも社会への出口を求めた研究であり、評価方法の標準化等をうまく活用して、技術を社会へ積極的に押し出していっています。また本誌(シンセシオロジー)に過去3年間で掲載された70編の研究論文に関して「構成方法」を分析した研究論文「シンセシオロジー論文における構成方法の分析」が注目されます。構成的研究が実際にどのようなプロセスを経て行われているのか、技術分野ごとに特徴的な様態が浮かび上がっています。シンセシオロジー誌では著者に対して、社会的に価値のある研究目標を設定した上で、その目標を達成するためのシナリオを記述し、さらにそのシナリオに基づいて実践した要素技術の構成と統合のプロセスを記述していただくよう要請しています。構成と統合のプロセスは著者ごとに独特のものがあり、非常に多様です。しかしそれらを大括りに捉えると、いくつかの共通の手法が浮かび上がってくるのは興味深いところです。構成的なアプローチは現にさまざまな研究プロジェクトで実践されています。構成と統合のプロセスを類型化して考えることができれば、プロジェクトの企画立案や運営、そしてそれらの事後評価に対しても、今後好ましい影響を与えるものと期待されます。なお2011年10月に山口大学で開かれた研究・技術計画学会の年次学術大会で、当該学会と産総研とが共同でワークショップ「シンセシオロジー(構成学):知の統合からイノベーションへ」を開催し、構成的な研究とイノベーションの関係を議論しました。本誌の「ワークショップ報告」から分かるように、多岐にわたる興味深い論点が提示され、今後の我が国の科学技術政策にも影響を与える可能性があることを感じました。(編集委員長 小野 晃)
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