Vol.5 No.1 2012
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研究論文:モノピボット遠心血液ポンプの実用化開発(山根ほか)−24−Synthesiology Vol.5 No.1(2012)研グループだけであったことが判断の第一理由だったと思われます。開発目標の再設定についてはその経緯を3章に記載しましたが、医療機器の中でも単価の安いローリスク製品ないしディスポーザブル製品で事業を行うというのが、今回の企業の基本姿勢です。製品を安く作る方法として、当該企業はポリマーの材料入手および加工面が強く、今回のデザインでもほとんど接着剤を使わずに単に組み立てるだけで作ることができ、通常の製品でよく使われるOリングやネジ等を使用しない安価にできる製造方法を採っています。しかも産総研のモノピボット機構を採用すれば、ボールベアリングや軸シールが不要となる等、安価な製品になる見通しがあったことが、産総研方式を基にした補助循環ポンプの製品化を目標とした理由です。議論6 医工連携コメント(赤松 幹之)医工連携と言ったときの「医」としては、基礎研究的観点での医学部の先生もいますし、臨床すなわち病院での患者への治療や診断という観点もあります。「工」といっても大学の工学系の先生もいれば、我々公的研究機関の工学系の研究者もいますし、企業で製品化をする技術者もいます。これらを整理して説明していただくと読者の参考になると思います。回答(山根 隆志)一般に「医工連携」というと二つのパターンがあり得ます。一つは、企業と病院がメーカーとユーザーの立場で連携することによって、製品化を実現する場合です。なぜなら一般産業と違って、医療機器メーカー自身がユーザーになれないという法律上の拘束を受けているためです。他の一つは、大学・病院・研究機関が連携してシーズを提供し、そこに企業が加わってニーズに見合った製品化を実現する場合です。今回はこの後者にあたります。過去の後者のパターンによる補助人工心臓(VAD)の製品化成功事例を4.2節に追加しました。

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