Vol.5 No.1 2012
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研究論文:高品質なプロジェクトマネジメントを実現するトレーサビリティ・マトリックスの構築(榮谷ほか)−8−Synthesiology Vol.5 No.1(2012)ステムマトリックスnの成分値は基準となる1に設定していたが、このPKGの習熟度を考慮するのに伴い、表2のように成分値を定めた(機能と部品の関係等他のマトリックスの成分値は1のまま)。なお、表2では、担当(team)と作業(activity)の各要素に難易度(1または1.5)を設定し、マトリックスの成分値は行と列の難易度の掛け算によって設定した。その結果、表3に示したようにプロジェクト全体として104.89の難易度を示すことが分かった。これはスクラッチ開発時の78.18という値を上回っており、また同時に他の選択案としてジェネレータを利用した場合の難易度(64.75)よりも大きい値を示した。以上のデータを基に、PKG、ジェネレータおよびスクラッチのそれぞれを活用した場合のプロジェクトの複雑性を再評価した。その結果が表3であり、ジェネレータの選択が最適であると最終的に結論付けた。5.2 DO(実行)計画したとおりの形でプロジェクトを実行し、開発を進める。例えば上記の例ならばジェネレータを利用して開発を進める。5.3 CHECK(評価)前節まではある時点で複数のプロジェクトを比較した議論であったが、この節では一つのプロジェクトに閉じて、その時間的変化に対して議論を行う。複雑性は開発が進むにつれて低減する。なぜならば、完全に情報移転が終わった要素間ではその相互依存性が無くなっていくためであり、最終的には相互依存性を示すマトリックスの要素値=0となる。同時に、習熟効果等により難易度も時間軸の変化に伴って低減する。ただし、難易度は必ずしも最終的に要素値=0になるとは限らない。例えば、限られた開発期間の中でパッケージソフトの全仕様を把握し、どのような場合でも対処可能なスキルを習熟することは通常は難しい。しかし、相互依存性は情報移転が完全に終われば0になるので、難易度を表すシステムマトリックスをSn、システムマトリックスの次数をNとすると、システムマトリックスsから単位行列を引いた行列成分はすべて対角成分が-1になる。したがって、そのノルムは√Nになり、複雑性は以下の値に収束する(式2)。1112.251.5DB設計1.51.51.52.251.5業務ロジック設計2.252.252.252.252.25画面設計作業(Activity)テスト担当実装担当詳細設計担当アーキテクチャ設計担当要求管理担当担当(Team)図6 スクラッチ開発のネットワークモデル(画面遷移関連のみ)表2 担当(team)−作業(activity)マトリックス表3 各案の最終評価5995.12104.8957.16PKG利用(未習熟時)4169.4464.7564.40ジェネレーター6081.4278.1877.79スクラッチ開発複雑性難易度相互依存性機能部品成果物作業<>画面設計<>画面仕様書<>ソースコード<>預入画面<>預入金額入力機能<>引出金額入力機能<>メニュー選択機能<>PW入力機能<>UID入力機能<>引出画面<>メニュー画面<>ログイン画面<>画面還移図

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