Vol.4 No.3 2011
34/66
研究論文:自動車用ナビゲーションの総合的開発(伊藤)−162−Synthesiology Vol.4 No.3(2011)SC注40)13/WG8( TICS on-board MMI、以下WG8と略す)の国際エキスパートを1993年から2003年まで務めた。欧州の国際エキスパートの当初の認識は、「日本では運転しながらテレビを見ているが、それで良いのか」、「道路標識や街路名、建物No.を見ていれば目的地に着けるので、ナビゲーションは不要ではないか」というようなものであった。そこで1994年の第1回WG8パリ会議の際、自動車技術会ヒューマンインタフェース分科会(当時はMMI分科会と称す)で準備した「日本ではなぜナビゲーションシステムが必要か」のビデオをもって説明した。なおこの分科会は日本を代表してヒューマンファクタ国際標準化の役割を担い、国内の意見調整やデータ準備、国際会議の結果の国内への展開の役割を担っている。4.2 ナビゲーションの設計要件の国際標準化ISOの二つのWGで国際規格の標準化が始まった(表2)。検討のベースになったのは、日本が提供した前述のJAMAガイドライン「画像表示装置の取り扱いについて」と、欧州が持ち込んだDRIVE IIの成果であるHARDIE注41)ガイドラインで「ルートをハイライトで表示した地図を表示してはならない」等、日本のナビゲーションの実態に合わない規格であった。ドライバーに考えさせてはいけない、こうしろという指示のみがよい、という理屈であった。その後の標準化作業の検討項目になった。なお1995年にTC204/WG13は廃止されTC22/SC13/WG8に一本化された。当時、多くの情報が一斉にドライバーに提供されると、ドライバーは情報を処理しきれず安全情報を無視する可能性があるということで、情報の提供の仕方を検討することになったが、製品化が最も進んでいた日本が担当した。そのために情報の優先順位という考え方を表2No.4の一部であるISO/TS 16951 Message Priorityで導入し、安全上重要なもの、直ちに行動を起こさなければならないものの優先順位を高くする情報ごとのランキング法を明確にした。また警報の統合化についてISO/CD注42) 12204 Warning Integrationを日米が中心で準備中である。4.3 使用実態に即した自主ガイドライン改訂と法的整備実際にガイドラインを運用してみた結果、表1のごとく、表1 主なヒューマンインタフェースガイドライン、規格、法規の標準化[7]表2 標準化作業項目(TC204/WG13およびTC22/SC13/WG8スタート時)1990年1992年1993年1994年1995年1999年 2002年 2004年JAMAガイドライン1.0:走行中の細街路地図画面の消去、目的他設定不可ISO/TC204の発足ISO/TC204/WG13の発足ISO/TC22/SC13/WG8の発足対話管理(発行2002)、聴覚表示(発行2004、改訂2010)、視認行動計測(発行2002)、視覚表示(発行2002)、走行中の表示適合性(発行2003)、表示内容の優先度Message Priority(発行2004)審議開始JAMAガイドライン1.1:走行中の表示文字数の制限JAMAガイドライン2.0:その道路上にいるときは細街路の表示可に変更道路交通法71条:走行中の携帯電話の手持ち使用禁止、ビデオ画面注視の禁止JAMAガイドライン2.2:表示装置は視角30度以内に設置道路交通法109条:車載機器の表示・操作・提示情報の原則ISO/TC22/SC13/WG8にてOcclusion Methodの審議開始(ISO発行2007)JAMAガイドライン3.0:走行中に操作可能な機能の最大操作時間を規定道路交通法71条改訂:走行中の携帯電話の手持ち使用に対する罰則強化ISO/TC22/SC13/WG8でLCT注46)法の審議開始No.12345678 Titleヒューマンファクタ文献集カーナビゲーションシステムのヒューマンファクタドライバ-車システムのヒューマンファクタインテグレーション視覚表示聴覚表示視認行動計測対話管理 内容TICSヒューマンファクタのデータベース作成ヒューマンファクタからみた制約条件ACC注47)、FVCWS注48)等のヒューマンファクタからみた制約条件表示の優先度Message Priority、その後警報の統合化Warning Integration追加表示器視認要件音/音声の警告走行中表示の気付きやすさの試験条件ドライバーの負担を小さくするような情報の推奨値項目議長米国米国米国日本イタリアフランス英国スウェーデン
元のページ