Vol.4 No.2 2011
44/66
研究論文:超高精細映像送受信を支える光通信ネットワークの実証実験(来見田ほか)−110−Synthesiology Vol.4 No.2(2011)テムを取り扱い、それらが光パスやストレージの情報を基に適切に管理制御される仕組みである。さらにシリコン光パス・スイッチや波長資源管理技術も導入し、デバイスからアプリケーションまで個別に開発される技術を集約し実現する垂直連携が欠かせない。」議論4 結果の評価コメント(立石 裕)第6章ですが、シンセシオロジーとしては重要なポイントであるにもかかわらず、記述が不十分です。実験で発生した具体的な課題の意味とそれをどのように解決したのか、さらにはそれが今後の展開においてどのような意義を持つのか等々。現状では、「実験してみたらいろいろと想定していなかった問題が発生したが、すべてその場で解決でき問題はなかった。」という、読者にとっては何の情報もない、単なる結果報告になっています。また、「消費電力1.5 kW」の評価がありません。図6を見れば電気信号処理に比べて大幅に削減可能なことは理解できますが、「どこまで減らせば実用上問題ないのか」「それに対して今回の結果は十分なのか、それとも不十分なのか」等々の記述が必要でしょう。回答(来見田 淳也)5.2節の映像配信実験の最初に、実験で発生した具体的な問題とその解決のプロセスに関する文章を追加いたしました。このデモ実験において最も高速な光変調信号でかつ105 kmの伝送距離がある43 Gb/sパスの通信が成立する過程を記しました。また第2章のはじめに、通信トラフィックと電力について次のように詳しく触れました。「この傾向が仮に20年続くとするとトラフィックは現状の1,000倍程度になる。その場合にはもちろん電力効率もそれ相応の改善が望まれる。」これを軸にして、第6章で消費電力の評価を行うために次の文章を追加いたしました。「コアルータを使ってデモ実験で使用した機器と同等数のスイッチポートとノードを組み上げると仮定すると、光増幅器を含めて13.4 kW程度となることが予測される。デモ実験におけるサーバ等を除いた電力はTb/sへの拡張性を残して1.5 kWであった。」、「具体的にはシリコンフォトニクス光スイッチが実現されポート当たりの伝送レートが100 Gb/sとなれば現状と比べると1,000倍の電力効率が得られる見通しである。今後予測される高精細映像情報のような通信需要増に対しても、電力の伸びを抑えられる点で適度な低電力化が達成されたと考える。」
元のページ