Vol.4 No.2 2011
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研究論文:超高精細映像送受信を支える光通信ネットワークの実証実験(来見田ほか)−105−Synthesiology Vol.4 No.2(2011)かったが、この時、研究開発テストベッドネットワークのつくば市までの延伸がなかったことと、デモ実験とシンポジウムの併設が決定されていたので、利便性の高い産総研秋葉原事業所が選ばれた。大手町―秋葉原間は見通し1~2 kmであるが、利用した光ファイバーは9.8 kmの距離がある。これは利用できる敷設光ファイバーがビルの特定のフロアに上っていたり、そこから地下の共同坑に取り込まれたりしているためである。大手町―秋葉原間の光ファイバー線路が確保されたので、あとはJGN2plus西端がNICT(小金井)に存在することからそのままNICTへ接続し、その範囲を実際のネットワークに仕立てた。この間の距離は約42.7 kmあり、往復で105 kmの距離を秋葉原から利用できる。したがって、実験会場はNICT(小金井)とAIST(秋葉原)の2ヵ所となった。この距離間隔は一つの都市間を繋いでいるネットワークのモデルとして適度なものとなった。大きな課題は、この実験で用いる最も高速な43 Gb/s光変調信号による通信を成立させることであった。そのために私達が開発した高速自立制御型可変分散補償器によって105 kmの光ファイバーから受ける波長分散による波形劣化の影響を完全に補償することを計画した。ところが、光ファイバーの0.2 dB/km以上の伝送損失および光コネクタ・部品による損失が事前に明らかでなかったため、受信器に合う光S/N比に入るかどうかが不確定であった。そのためトポロジーを簡略化し、伝送の難易度を下げるようなバックアッププランを映像配信実験用に用意して臨んだ。デモ実験の場所は産総研秋葉原事業所のフロアの一部に図4のように設定された。ハードウエアはおおよそ要素技術別に配置されている。図3との対応をとっているが、実際はこの図4が先に設計を完了している。限られたスペースにおいて装置の大きさや接続の利便性が優先していった結果、レイアウトが不都合のない形で定まった。図4のように実際のハードウエアが準備されたところで、機能ブロックごとにデバイス・装置を接続していく。実験系の構築においてはこの接続のプロセスが最も重要でミス接続や巨大な通信線路損失は許されない。スイッチのポートテーブルを用いて正確にかつ適正な信号レベルで行う。5.2 映像配信実験このデモ実験のハイライトの一つは、最も高速な光変調信号でかつ105 kmの伝送距離のある43 Gb/sパスの通信が成立するかであった。図3中の赤線で示した通信パスである。このパスをビットエラーレートテスタで試験すると、光信号強度を上げてもエラー無し状態にならず、スーパーハイビジョン映像に乱れや瞬断が起こる懸念があった。し図3 光ネットワーク合同接続実験概要図デモ1デモ2デモ3サーバーDへ<コンテンツ>8Kイメージ映像A8Kイメージ映像B<コンテンツA><コンテンツB>ストレージ資源管理装置パス設定ストレージ設定映像送出制御スーパーハイビジョン配信LAN-SANシステム収容技術NEDO LAN-SAN技術外部からのパス設定・解放要求ファイル転送TV会議(HD)パス設定・解放要求窓口許可ファイル転送TV会議(HD)パス設定処理パスファイルサーバーパケット大手町小金井サーバーB(HD)シリコンフォトニクス光スイッチ視聴者D(SHV)サーバーC(SHV)サーバーAへパラメトリック可変分散補償器高性能高非線形ファイバーダイナミック波長資源管理装置パラメトリック任意波長変換器ネットワーク資源管理装置高速波長可変レーザーモジュールトランスポンダ・アグリゲータ用波長選択スイッチネットワーク・ストレージ統合資源管理秋葉原視聴者E(SHV)視聴者B (HD)コンテンツ集積拠点サーバーSへ視聴者A-2(HD)視聴者A-1(HD)視聴者C(HD)(熱光学効果)(プラズマ効果)<コンテンツD>光パケット・光パス総合ネットワークi

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