Vol.4 No.2 2011
24/66

研究論文:ヒューマノイドロボットのコンテンツ技術化に向けて(中岡ほか)−90−Synthesiology Vol.4 No.2(2011)金広 文男(かねひろ ふみお)1999年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。博士(工学)。1998年より日本学術振興会特別研究員。2000年工業技術院電子技術総合研究所入所。2001年より組織改変に伴い産業技術総合研究所知能システム研究部門研究員。2007年10月主任研究員。2007年4月より仏国LAAS-CNRS客員研究員。ヒューマノイドロボットのシステム構成法、全身行動制御に興味がある。本研究では、主としてHRP-4Cの開発を担当した。金子 健二(かねこ けんじ)1990年慶應義塾大学大学院理工学研究科電気工学専攻修士課程修了。同年工業技術院機械技術研究所に入所。1995年9月より半年間米国カーネギーメロン大学客員研究員、1999年9月より1年間仏国CNRSパリロボット研究所客員研究員。2001年より組織改変に伴い産業技術総合研究所知能システム研究部門主任研究員、現在にいたる。博士(工学)。モーションコントロール、マイクロマシン、遠隔制御、ヒューマノイドロボット等の研究に従事。2009年IEEE-RAS International Conference on Humanoid Robots Best Paper Award(Oral Category)受賞。本研究では、主としてHRP-4Cの開発を担当した。梶田 秀司(かじた しゅうじ)1985年東京工業大学大学院修士課程修了(制御工学専攻)。同年工業技術院機械技術研究所に入所。1996年2月より1年間米国カリフォルニア工科大学客員研究員。1996年東京工業大学より学位取得。工学博士。2001年より組織改変に伴い産業技術総合研究所知能システム研究部門主任研究員、現在に至る。二足歩行ロボット等の動的制御技術の研究に従事。1996年度計測自動制御学会論文賞、2005年度日本ロボット学会論文賞受賞。本研究では、主としてHRP-4Cと歩行安定化制御システムの開発を担当した。横井 一仁(よこい かずひと)1986年東京工業大学大学院機械物理工学専攻修了。同年工業技術院機械技術研究所に入所。2001年産業技術総合研究所知能システム研究部門主任研究員。2004年同所同部門研究グループ長、2009年同所同部門副研究部門長、現在に至る。1995年~1996年スタンフォード大学客員研究員、2003年~2008年AIST-CNRS Joint Robotics Laboratory Co-director、2005年より筑波大学大学院システム情報工学研究科教授(連携大学院)兼任。人間型ロボット等の自律性の向上に関する研究に従事。1993年日本機械学会賞研究奨励賞、1993年計測自動制御学会論文賞、2003、2004年IEEEICRA Best Video Award、2005年日本ロボット学会論文賞、2006年日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門学術業績賞、2008年日本機械学会賞(論文)他受賞。博士(工学)。本研究では、主としてコンテンツ制作実験を担当した。査読者との議論議論1 構成学としての全体構成コメント(持丸 正明:産業技術総合研究所デジタルヒューマン工学研究センター)【構成学としての論文構成】構成学としては、等身大のリアルなヒューマノイド(ハードウエアとしてのプラットフォーム)、運動表現支援技術(全身動作生成+動力学シミュレータ)、歌唱表現支援技術(音声合成技術+リップシンク技術)の三つの要素技術を統合し、それによって産み出された表現が、これまでにない新しいメディアコンテンツとして認識されるかどうかを検証した、という枠組みになると理解しました。構成学の論文として、この位置付けを明瞭化して、それに沿って章立てを考える方が良いと思います。コメント(小林 直人:早稲田大学研究戦略センター)【構成学としての全体像が掴める図】要素技術として、「サイバネティックヒューマン“HRP-4C”の完成」、「全身動作作成ソフトウエア“Choreonoid”の生成」、「顔動作生成機能の実現」「動力学シミュレータの開発と活用」等が極めて重要なものであり、これらを統合することにより、最終目標を達成できたと認識しました。ここで各要素技術を一つのブロックとして表現し、要素技術ブロック同士の関係やそれらをどう組み合わせ構成して最終目標に近づけたかを一つの図で表現すると読者の理解が高まると思われます。「構成学」としての学の観点からも非常に重要です。【統合における技術的困難性の記述】またその際、統合に向けて乗り越えるべき大きな困難があったとしたらそれが何であったかを記述されるとよいと思います。【統合から要素技術へのフィードバック】さらに統合に向けて、個々の要素技術の修正や改善までフィードバックをする必要があったかと思いますが、もしそのような分かり易いフィードバックの例があると、読者の参考になりますので例示をしていただけるとよいと思います。回答(中岡 慎一郎)【構成学としての論文構成】コメントを参考にして、記述を改めました。章の構成については、まず2章で本研究の目的と課題となる四つの技術領域について簡潔にまとめた上で、課題の詳細とそれに対する取り組みは四つの技術領域ごとに章をまとめて記述する構成としました。その上で、【構成学としての全体像が掴める図】として、本研究の概要を表す図1を追加しました。【統合における技術的困難性の記述】「ロボットハードウエア」「動作表現支援技術」「音声表現支援技術」「統合インタフェース」を構成要素とする大きな枠組みでは、それらの必要な要素を検討して総合的に作り上げるところに困難性がありました。一方で、ロボットハードウエアと動作表現支援技術のそれぞれの枠組みでは、「人に近い外観」と「二足歩行」を「統合」することの困難や、「CGのキーフレームアニメーション」と「二足歩行ロボットの安定な動作の作成」を統合することの困難がありました。これらの困難性の記述をそれぞれの章に含めました。【統合から要素技術へのフィードバック】確かにそのような事例がありました。特に、歩行安定化制御システムに改良が必要になったので、3.3節にて詳しく述べました。議論2 ヒューマノイドのコンテンツ産業質問(小林 直人)コンテンツ・メディアとしてのヒューマノイドの産業化を目指しているとの記述があります。現時点では、この論文の例で示された「歌唱やダンス」、「ファッションショーの司会」、「モデル」等以外に、今後具体的にどのようなニーズが考えられ、全体としてどれくらいの市場規模の産業(ヒューマノイド・コンテンツ産業やヒューマノイド・アミュー

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です