Vol.4 No.1 2011
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シンセシオロジー 報告−52−Synthesiology Vol.4 No.1(2011)2010年10月に産業技術総合研究所が主催する「産総研オープンラボ」の講演会の一つとしてシンセシオロジーワークショップを開催しましたので、その概要を報告いたします。このワークショップでは、シンセシオロジー誌にこれまで掲載された学術論文を題材として構成的研究の類型化を試みるとともに、イノベーション推進の方法論について構成的研究開発を自ら推し進め、多くの実績を挙げてきた産業界の研究者とともに議論しました。シンセシオロジーワークショップオープンイノベーションハブに向けた技術統合の方法論(開会挨拶)小野 晃(シンセシオロジー編集委員長、産業技術総合研究所) イノベーションを目指す国際的な競争が激化しています。我が国においても、“オープンイノベーション”や“産学官連携”が熱く語られていますが、私達はその実態をどのようにとらえればいいのか、大学等アカデミアと私達のような公的研究機関、そして産業界が、それぞれ違うセクターであってもお互いを理解しつつ、連携を深めていくために、研究者や技術者のマインド、目的、共有する部分は何なのか、という議論が重要だと思っています。科学技術の研究方法を俯瞰しますと、伝統的な科学は17世紀にヨーロッパから始まり、要素還元論で成功を収めてきました。成功は現在も続いていますが、要素還元論だけでは昨今の地球環境の問題やエネルギー、安全・安心等々の複合化した問題を解決できないということに多くの人々が気づいています。その中で要素還元論とは異なった、新たな科学の方法論の提案がさまざまになされています。例えば認識科学を伝統的な科学とすると、設計科学といった新たな科学があるべきではないか。複合的な問題を取り扱うときには、一つの技術分野にとどまらない構成や統合といったアプローチが必要ではないか。産総研でいうところの第1種基礎研究と第2種基礎研究といったような対比も行われておりますし、純粋基礎研究と目的基礎研究・応用研究の対比、あるいは理学対工学、科学対技術という対比もしばしばなされています。しかし、伝統的な科学の方法論に比べ、もう一方の新たシンセシオロジー編集委員会科学技術の研究方法認識科学 設計科学 分析(アナリシス) 構成・統合(シンセシス) 純粋基礎研究 、目的基礎研究、応用研究 工学、技術 種基礎研究 種基礎研究 根本的エンジニアリング 理学科学 第1第2

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