Vol.4 No.1 2011
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研究論文:レーザー援用インクジェット技術の開発(遠藤ほか)−10−Synthesiology Vol.4 No.1(2011)この4方法は、インクジェットによって吐出された液滴が着弾と同時に濡れ広がり乾燥するという工程の中で、液滴の乾燥に対する本質的な問題に取り組む方法ではありませんでした。私達は、スループットの向上という視点から、この液滴の濡れ広がりの抑制を課題に設定しました。その結果、私達は乾燥に必要な熱エネルギーをレーザー照射により局所的にインク液滴に与えるというアイデアを用いて、乾燥速度を最適化し液滴径が大きなままで吐出周波数を大幅に向上せず、液滴径以下の配線幅で高アスペクト比の配線の描画を可能にしました。議論5 液滴サイズと配線幅の値コメント(長谷川 裕夫)これまでのインクジェット方式では、液滴のサイズと配線幅がどのくらいかを示してください。これはこの研究で設定した開発目標と関連しますので、明確に記述してください。回答(遠藤 聡人)これまでの産業用インクジェット方式で用いられている液滴サイズは、直径約15 µm(1.8 pl)−40 µm(33.5 pl)程度です。そのため、配線幅は、液滴サイズより大きくなることから、約30 µm−50 µm程度であり、厚みは数十nmから数百nmが限界とされていました。また、配線を数µm程度に厚くするために数十回重ね塗りをするとバルジが発生し、均一な配線の描画が困難でした。議論6 液滴サイズの設定理由コメント(長谷川 裕夫)液滴サイズを設定した論理を明確に記述してください。配線幅の目標設定と仕上がったときの比抵抗の目標から、厚みの目標が決まり、供給すべき液滴サイズが決まったということでしょうか。回答(遠藤 聡人)液滴サイズの設定は、これまでのインクジェット技術では、液滴径10 µm以下の吐出が困難でした。そのため、目標とした設定値は、配線幅10 µm以下かつ描画速度を1ノズル当たり数mm/secから数十mm/secでした。目標を達成するために必要な技術課題としては、液滴の直径より小さい配線幅を描画する必要がありました。よって、液滴径を10 µm以上に設定しました。

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