Vol.3 No.4 2010
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研究論文:日本全土の元素分布の調査とその活用(今井)−287−Synthesiology Vol.3 No.4(2010)の地球化学図を示した。九州西部の八代海や新潟沖で高濃度域が見られる。これらの高濃度域には過去の水銀汚染の影響が残留している可能性がある。また、佐渡北部周辺海域の水銀の高濃度は、過去の佐渡金山の採掘に伴う影響が可能性として考えられる。近畿地方の伊勢湾、大阪湾の水銀の高濃度は都市からの人為的な影響のほかに、紀伊半島における大規模な水銀鉱床である大和水銀鉱床の影響も関与しているものと考えられる。7 データの公開(公共財としての社会への情報提供)これまでに蓄積された地球化学図の全データを、ウェブ上で容易に参照できる形で公表するためネットワーク上にホームページを作成した。図6に地球化学図のホームページを示した。ここでは全国の陸と海の地球化学図が参照できるほかに、地域ごとに拡大した地球化学図、および全3,024個の河川堆積物および4,905個の海底堆積物のそれぞれの元素濃度等の詳細情報がネットワーク上で簡単に参北陸九州近畿伊勢湾大阪湾佐渡水銀Hg新潟沖八代海http://riodb02.ibase.aist.go.jp/geochemmap/index.htmホームページ河川堆積物海底堆積物図6 地球化学図の情報公開地球化学図のホームページ(http://riodb02.ibase.aist.go.jp/geochemmap/index.htm)と河川堆積物、海底堆積物の詳細情報。河川堆積物および海底堆積物の採取地と試料の写真と緯度経度、元素濃度等が参照できる。海底谷北陸北海道構造線に沿って高濃度姫川クロムCr図5−2 水銀Hgの全国地球化学図と九州、北陸、近畿地方の地球化学図八代海、新潟沖は過去の汚染の影響が、佐渡では鉱山の影響が、伊勢湾、大阪湾では鉱床と都市活動の影響が高濃度の可能性として考えられる。図5 地球化学図の解釈による自然と人間活動における元素挙動の理解図5−1 クロムCrの全国地球化学図と北陸および北海道の地球化学図の拡大図中央構造線と北海道の構造線に沿ってクロム濃度の高い赤い帯が見える。フォッサマグナ北端の姫川では陸から海への高濃度域の連続性が認められる。

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