Vol.3 No.3 2010
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研究論文:ものづくり産業の国際競争を支援する電気標準(中村ほか)−222−Synthesiology Vol.3 No.3(2010)ます。他の標準研究所でクロスキャパシタンス法と量子ホール抵抗から導出する手法を用いている研究所の割合などの状況、産総研が新規に開発した手法を導入している外国の標準機関があるかなど、可能であれば加筆をお願いします。回答(中村 安宏)クロスキャパシタを利用している国立標準研究所の中で、高精度にキャパシタンス標準を実現しているのは、本文中にも記載しましたNMIA(豪)、NIST(米)、PTB(独)、LNE(仏)です。これ以外ではNIM(中国)、VNIIM(露)がクロスキャパシタで標準を実現しています。また、量子化ホール抵抗からキャパシタンスを導出しているのは、産総研以外では、NPL(英)、CMS(台)、BIPM(国際度量衡局)があります。しかし、いずれも従来型の直角相ブリッジ回路でキャパシタンス標準が実現されており、周波数可変である当所のシステムは国際的に見て優位な立場にあります。議論5 新たな標準供給手法質問(工藤 勝久) 「5.今後の課題」で、「--新たな供給手法の開発も視野に入れ、--」とあります。計量標準共通の課題でもありますが、何か加筆できるアイディアをお持ちでしょうか。回答(中村 安宏)本論文で紹介した「遠隔校正法」以外に、その他の手段として産業現場に「長期間安定な標準器」を設置して、産業現場においていつでも手軽に機器の校正ができるシステムを実現することが考えられます。例えば、ジョセフソン電圧標準と薄膜サーマルコンバータAC/DC標準を組み合わせると、「長期間高安定な標準電圧電流発生装置」を実現できる可能性があります。このような「産業現場で直接校正可能な技術」を開発し、産業現場に技術移転することによって、校正の低コスト化と校正時間の短縮を図り、トレーサビリティ体系のさらなる合理化が実現できるのではないかと考えています。
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