Vol.3 No.3 2010
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研究論文:複雑システムの信頼性を向上させる開発手法(加藤ほか)−210−Synthesiology Vol.3 No.3(2010)T. Doran: IEEE 1220: For practical systems engineering, IEEE Magazines Computer, 39 (5), 92-94 (2006).M. Sipser: Course Technology Ptr(SD), Introduction to the Theory of Computation, 29-90, The Netherlands (1996).R. Alur and D. L. Dill: A theory of timed automata, Theoretical Computer Science, 126 (2), 183-235 (1994).G. J. Holzmann: The model checker SPIN, IEEE Transaction on Software Engineering, 23 (5), 279-295 (1997).K. G. Larsen, P. Pettersson and W. Yi: UPPAAL in a nutshell, International Journal on Software Tools for Technology Transfer, 1 (1-2), 134-152 (1997).日本工業標準調査会: 産業用マニピュレーティングロボット-用語, JIS B 0134 (2008).J. P. Elm: A study of systems engineering effectiveness – Initial results, Proceedings of the Systems Conference 2008 2nd Annual IEEE, 1-7 (2008).B. Boehm, R. Valerdi and E. Honour: The ROI of systems engineering: Some quantitative results for software-intensive systems, Systems Engineering, 11 (3), 221-234 (2008).E. C. Honour: Understanding the value of systems engineering, Proceedings of the INCOSE International Symposium, 1-16 (2004).A. K. Kludze: The impact of systems engineering on complex systems, Proceedings of Conference on Systems Engineering Research (2004).B. W. Boehm: Software engineering economics, 38-40, Prentice-Hall, USA (1981).B. Alpern and F. B. Schneider: Defining liveness, Information Processing Letters, 21, 181-185 (1985).慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科: 研究科ホームページ, 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(オンライン), 入手先(参照2010-04-18).[16][17][18][19][20][21][22][23][24][25][26][27][28]執筆者略歴加藤 淳(かとう あつし)2000年熊本大学大学院自然科学研究科電気システム専攻修了。同年より、電機メーカーにおいて、ユビキタス環境における小型ネットワークデバイスの研究・開発業務などに従事。2006年より、宇宙開発領域において宇宙機ソフトウェアの独立評価業務に従事。また、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科において、システムエンジニアリングに関する研究に取り組む。2009年情報処理学会研究賞受賞。情報処理学会会員。本論文では、研究計画、技術の選択・融合、産業事例への適用、考察に関する部分を担当した。浦郷 正隆(うらごう まさたか)1998年東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻博士課程修了。博士(工学)。同年より、東京工業大学で助手を務める。2008年より、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科准教授となる。システムズエンジニアリングおよび工学問題のコンピュータモデリング、数値計算に関する研究に取り組む。日本機械学会会員。INCOSE会員。本論文では、技術の選択・融合に関する部分を担当した。狼 嘉彰(おおかみ よしあき)1968年東京工業大学大学院理工学研究科電気工学専攻修了。工学博士。NASA国際フェロー、東京工業大学教授、慶應義塾大学教授、宇宙開発事業団技術研究本部研究総監を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科委員長を務める。複雑システムのダイナミクス・制御および戦略的システムエンジニアリングに関する研究に取り組む。日本機械学会フェロー。INCOSEフェロー。日本航空宇宙学会会員。IEEE会員。AIAA会員。本論文では、研究戦略の立案および研究統括を担当した。査読者との議論 議論1 課題の新規性と成果質問(上田 完次:産業技術総合研究所)2章で、各領域の技術を融合する理由として、融合により新規技術が生まれて新たな研究領域の創出が期待されるためとされていますが、この研究でどのような結果が得られたのでしょうか。コメント(赤松 幹之:産総研ヒューマンライフテクノロジー研究部門)本論文の内容に新規性がうたわれていますが、専門外の読者にとっては新規であるかがにわかには理解できません。これまでもシステムの信頼性を向上させるような手法が提案されているのではないかと推察されますが、この研究が行なわれる前の状況を少し解説していただくことで、新規性が浮き彫りになると思われます。また、同様に、このような必要な技術がなぜこれまで着手されていなかったのか、なぜそれが困難であったかなどを説明していただくと良いと思います。回答(加藤 淳)システムの構成要素による協調動作に着目し、この研究の背景などをご説明させていただきます。通常、システムの構成要素による協調動作は、システム開発の終盤に実施されるシステム試験では確認されますが、ここで協調動作の不整合が検出されるとシステム開発の上流工程に立ち戻る必要があり、改修に多くのコストを要します。また、開発終盤における設計変更は、システムの信頼性を低下させる可能性があります。したがって、システムの構成要素による協調動作は、システム開発の上流における確実な設計および確認が必要です。しかし、これらを実現する開発手法は提案されていませんでした。それは、システムにおける信頼性の観点から、システムの構成要素による協調動作が着目されることがなかったことと、システム開発の上流ではシステムの品質を作り込むこと自体が比較的新しい概念だったことに起因します。本論文の1章では、これらを加筆いたします。また、この研究を行った結果、次に示す四つの成果が得られたと考えます。一つ目は、システム仕様を協調動作が整合している構成要素の仕様および構成要素間のインタフェース仕様に分解する本開発手法を確立したことです。二つ目は、アーキテクチャ設計手法とモデル検査を融合するためにはブリッジ技術が必要であることを明らかにし、協調動作に着目した場合のブリッジ技術の実現例を挙げたことです。三つ目は、主にソフトウェア開発に適用されるモデル検査をシステム開発に適用したことにより、モデル検査の適用領域および研究領域を拡大したことです。四つ目は、ロボット産業界に対しこの研究における開発手法を提案したことです。議論2 協調動作コメント(上田 完次)「構成要素の協調動作」の表現が多数用いられていますが、一般読者にとってはその意味を理解することが困難と思われます。また、「協調動作の整合、不整合」も自明のように記述されています。協調動作の定義ないし意味を明確に示して、わかりやすい記述にしてください。

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