Vol.3 No.3 2010
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研究論文:複雑システムの信頼性を向上させる開発手法(加藤ほか)−205−Synthesiology Vol.3 No.3(2010)次に、協調動作が満たすべき性質を基に、モデル検査時の検査式を作成した。測定サブシステムおよび統合制御サブシステムにおいては、UPPAALの表現形式に従い、協調動作が満たすべき性質を基に23ケースの検査式を作成した。表2に、表1に示す2項目に対応する検査式を示す。そして、作成したモデルおよび検査式を基にモデル検査を実施した。測定サブシステムおよび統合制御サブシステムにおいては、図11から図13に示す協調動作モデルおよび表2の2ケースを含む23ケースの検査式を基にUPPAALによるモデル検査を実施した。モデル検査の実施後、検査結果を分析した。測定サブシステムおよび統合制御サブシステムにおいては、検査式のいくつかについてモデルに対して検査式が適合しない結果となった。UPPAALにより出力された反例を分析したところ、協調動作として表2に示す検査式の結果を含む6ケースの不整合を検出した。表3に、表2の2ケースに対応するモデル検査結果を示す。その後、アーキテクチャ設計に対し、協調動作に関する不整合内容をフィードバックした。測定サブシステムおよび統合制御サブシステムにおいては、表3の検査結果を含む6ケースの協調動作における不整合を基に、再度、アーキテクチャ設計を実施した。アーキテクチャ設計の結果、協調動作の不整合が解決された測定サブシステム仕様、統合制御サブシステム仕様、測定サブシステムおよび統合制御サブシステム間のインタフェース仕様を作成した。5.3 適用結果不定形剛体運搬ロボットシステムのシステム仕様に対し、この研究における開発手法を適用した。その結果、不定形剛体運搬ロボットシステムのシステム仕様から、測定サブシステム仕様、統合制御サブシステム仕様、ロボットサブシステム仕様および各サブシステム間のインタフェース仕様を見出した。また、これらの仕様を固める前に、測定サブシステムおよび統合制御サブシステムから、表3に示す協調動作の不整合を検出することができた。その後、協調動作が整合している構成要素の仕様および構成要素間のインタフェース仕様を作成することができた。したがって、産業用ロボットにおける実際の製品開発に本開発手法を適用し、産業用ロボットの高信頼化に貢献することができた。それにより、この研究が第2種基礎研究に値することを再確認した。本稿執筆時点において、不定形剛体運搬ロボットシステムは、産業界のニーズに応えるべく、協調動作がA[] P_BING_SCAN.BING_SCAN_REQ_STOPimply (bing_stopreq_time <= 10)3-3A[] (bing_syscont_sendreq == bing_req_rod)imply (bing_syscont_req == bing_req_rod)1-5検査式No.測定停止要求に対し、100 ms 以内に測定処理が停止しない場合がある。また、測定停止要求に対し、測定サブシステム自体が停止する場合がある。3-3メッセージおよび処理のタイミングによっては、n回目に発行された剛体測定要求に対し、n 回目より前に発行された剛体測定要求、もしくは据置領域測定要求、もしくは測定停止要求に対する応答が返却される場合がある。1-5モデル検査結果No.表 2 測定サブシステムおよび統合制御サブシステムにおける協調動作の検査式(23ケースのうちの2ケース)表 3 測定サブシステムおよび統合制御サブシステムの協調動作に関するモデル検査結果(6ケースのうちの2ケース)図 11 測定サブシステムにおける協調動作モデル

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