Vol.3 No.3 2010
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研究論文:映像の安心な利用を可能にする映像酔い評価システムの開発(氏家)−188−Synthesiology Vol.3 No.3(2010)執筆者略歴氏家 弘裕(うじけ ひろやす)1991年、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。1995年、工業技術院生命工学工業技術研究所入所。現在、産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門マルチモダリティ研究グループ、グループ長。視覚の心理物理学を基盤として、運動立体視、奥行き知覚の基礎的研究に関わるとともに、これらを発展させて、映像の生体安全性に関する研究開発に携わり、快適な映像環境の普及に貢献するよう努めている。映像酔い評価システムは、そうした活動の中で、大学関係者、業界関係者との連携の下に、共同開発を推進した。また、ISO/TC 159(人間工学)/SC 4(人間とシステムのインタラクション)/WG 12(映参考文献International standard organization: IWA3:2005 Image safety – Reducing the incidence of undesirable biomedical effects caused by visual image sequences (2005).J.T. Reason and J.J. Brand: Motion sickness, Academic Press (1975).H. Ujike, K. Ukai and K. Nihei: Survey on motion sickness-like symptoms provoked by viewing a video [1][2][3]する一方、臨場感の向上により、さらに映像酔いに対する十分な対策をとる必要がある。立体映像については、2009年のハリウッド立体映画の大ヒット、2010年の立体テレビの発売などにより、本格的な立体映像市場が形成されつつある。こうした状況において、2010年4月に、3Dコンソーシアム、(社)電子情報技術産業協会、産総研が連携して、立体映像ガイドラインや、その基盤となる文献抄録集の公開を行った。その結果、短期間のうちに幅広いマスメディアを通じて立体映像の生体安全性に関する社会的な認識が広まった[18]。これは、映像酔い評価システムの研究開発およびそれに至る長期の過程において培われた人的ネットワークが有効に機能したこと、またこれを基盤として、その研究開発過程を立体映像に対して容易に展開・適用することができたこと、さらにこれら一連の連携・協力による活動が、政府機関や関係各団体による理解につながり、立体映像の生体安全性に対する活動に道筋ができたことによるものである。立体映像は、これまでにもおよそ10年周期で盛衰を繰り返していると言われてきたが、十分な市場に発展しなかった主な理由は、立体映像による不快症状を軽減するための対策が不十分であったためであるとも考えられる。今後、さらに大学など外部研究機関や業界関係者らとの密接な連携の下に、本システムを発展させた信頼性の高い立体映像評価システムを共同で研究開発することで、立体映像の生体影響に対する理解をさらに広め、また同時に、立体映像の評価を行えるようにすることで、立体映像の生体安全性に関する課題の解決に寄与していきたい。 謝辞本発表の一部は、(財)JKAの機械工業振興事業補助金の交付を受けて行った(財)機械システム振興協会の委託による事業であり、2007年度「映像酔いガイドライン検証システムの実用化に関するフィージビリティスタディ」として実施しています。また、映像酔い評価システムの開発にあたり、共同研究などでご尽力いただいた当該委託事業研究開発委員会関係者に感謝します。movie during junior high school class, Displays 29, 81-89 (2008).U.S. Navy: OPNAVINST 3710.7T. (2004).氏家弘裕: 人にやさしい映像の視聴環境づくりをめざす, 産総研Today, 6(3), 28-29 (2006).氏家弘裕: 第3編7章映像の生体安全性 in FPDガイドブック –2009年版–, JEITA, 東京(2009).(財)機械システム振興協会:(社)電子情報技術産業協会「映像酔いガイドライン検証システムの実用化に関するフィージビリティスタディ」報告書 (2008).氏家弘裕, 鵜飼一彦, 斎田真也: 映像酔いに対する運動パタンと映像コンテンツの影響, 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 9, 377-386 (2004).H. Ujike, T. Yokoi and S. Saida: Effects of virtual body motion on visually-induced motion sickness, Proc. IEEE EMBS 2004, 2399-2401 (2004).H. Ujike, R. Kozawa, T. Yokoi and S. Saida: Effects of rotational components of yaw, roll and pitch on visually-induced motion sickness, Proc. HCII 2005, 2353-2356 (2005).H. Ujike: Effects of global motion included in video movie provoking an incident on visually induced motion sickness, Lecture Notes in Computer Science, 4563, 392-396 (2007).泰泉寺久美, 渡辺裕, 石橋聡, 小林直樹: スタティックスプライト生成のためのグローバルモーション算出法と符号化への適用, 電子情報通信学会技術研究報告, PRMU, パターン認識・メディア理解, 98 (206), 47-53 (1998).H. Ujike: Estimation of visually induced motion sickness from velocity component of moving image, Lecture Notes in Computer Science, 5622, 136-142 (2009).N. Sugita, M. Yoshizawa, A. Tanaka, M. Abe, S. Chiba, T. Yambe and S. Nitta: Relationship between physiological indices and a subjective score in evaluating visually induced motion sickness, Lecture Notes in Computer Science, 5622, 114-119 (2009).外山寛, 木竜徹, 岩城護, 飯島淳彦: 自律神経系指標の時間推移からみた映像酔いの評価, 電子情報通信学会技術研究報告, 109 (406), 85-89 (2010).飯島淳彦, 鵜飼一彦, 木竜 徹, 長谷川 功, 板東武彦: 映像の動き成分が脳血流に与える影響, 生体・生理工学シンポジウム論文集,21 (2009).A. Tanaka, N. Sugita, M. Yoshizawa, M. Abe and T. Yambe: Interpolation of the subjective score of visually-induced motion sickness by using physiological parameters, Proc. IEEE EMBS 2008, 4595-4596 (2008).朝日新聞社: 「目に優しい3D」指針, 朝日新聞関東版2010年4月10日朝刊1面 (2010).[4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16][17][18]
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