Vol.3 No.2 2010
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−158−Synthesiology Vol.3 No.2(2010)シンセシオロジー 報告2009年12月に横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)が主催する第3回コンファレンスが東北大学で開催されました。その中に「シンセシオロジー(構成学):知の統合を目指す学問体系」という特別企画のセッションを設けていただき、講演と総合討論を行いました。ここでは横幹連合のご了解を得て、基調講演の論文を再掲し、総合討論の概要をご報告します。シンセシオロジー(構成学):知の統合を目指す学問体系(開会挨拶)鈴木 久敏(横幹連合副会長、筑波大学) 横断型基幹科学技術研究団体連合は、様々な専門分野しかも文理にまたがる学協会が自然科学と並ぶ技術の基礎である基幹科学の発展と振興を目指し、大同団結した組織です。2008年1月に産総研から学術ジャーナル『Synthesiology』が創刊されましたが、「自然についての知の獲得というこれまでの科学に加えて、科学的知見や技術を統合して社会に有益なものを構成するための学問の確立」という発刊の趣旨やジャーナルに載っている論文の方法論は、私ども横幹連合の考え方と非常に近いと思っております。2009年1月に横幹連合、統計数理研究所(統数研)、産総研により、この分野をもっと組織立って振興していくことを目的に合同ワークショップを開催しました。この試みは非常に有意義であり、今回の第3回横幹連合コンファレンス特別企画のセッションにつながりました。産総研の「基礎研究の成果を社会に生かす」ための構成的研究の方法について、そのエッセンスを産総研副理事長の小野晃様にご講演いただき、その後、赤松幹之様をコーディネーターに総合討論をしたいと思います。(講演)小野 晃(シンセシオロジー編集委員長、産業技術総合研究所) (講演内容は本号のp.164~p.168に掲載した論文「シンセシオロジー(構成学):構成的研究の方法と記述」を参照してください。)(総合討論)赤松 幹之(シンセシオロジー編集幹事、産業技術総合研究所) 横幹連合で狙っていることの一つは「知の統合」だと思うのですが、我々の『Synthesiology』で扱っている構成的研究もいろいろな意味で「統合していく」ということで、共通したところを狙っているのではないかと思います。そこで本総合討論は、横幹連合と産総研、そして横幹連合のサポーターである統数研にも加わっていただき、横幹連合・統数研・産総研の三つ巴で議論していこうという企画です。『Synthesiology』は多岐にわたる分野の論文が掲載されています。そのために議論が抽象的になってしまわないように、最初に、構成的研究の具体例として産総研の岸本充生さんから創刊号に掲載された論文「化学物質のリスク評価」について紹介していただきます。そして、横幹連合の立場から、構成的研究が向かうべき方向についてどのように考えておられるかについて原辰次先生から、そして数理統計という観点も含めて田村義保先生からご意見をいただきます。また、小林直人先生からはSynthesiology のシナリオのタイプについて解説いただき、その後、議論を進めたいと思います。(異なる種類のリスク比較を可能にする評価戦略)岸本 充生(産業技術総合研究所) 論文の中身に入るとシンセシオロジー編集委員会
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