Vol.3 No.2 2010
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研究論文:正確性・コストパフォーマンスに優れた遺伝子定量技術の開発と実用化への取り組み(野田)−154−Synthesiology Vol.3 No.2(2010)ラーがあればすぐにでも本手法を適用することができるということでもある。すなわち、本技術の実用化における最も重要な強みはすでにリアルタイムPCR法を汎用的に利用しているユーザーを対象として導入を勧めることができるという点である。従来のリアルタイムPCR法では、特定の遺伝子(病原性の微生物やウイルス、または特定のSNP)を検出・定量の対象として試薬キットが市販されているが、Universal QProbe PCR法ではそもそもこのような上市の方式は馴染まない。試薬キットの利点としては、特定の遺伝子を検出するための蛍光プローブを大量に合成することによるコストメリットが考えられるが、そもそもUniversal QProbe PCR法では1種類の蛍光プローブでさまざまな配有有無無無無阻害物質への耐性不要不要必要必要必要必要リアルタイムPCR装置可能不可能可能可能可能不可能解離曲線解析による増幅産物の確認不要必要不要不要不要不要電気泳動必要必要不要不要不要不要内部標準遺伝子標的遺伝子ごとに必要(2色で標識)不要1種類の蛍光プローブであらゆる標的遺伝子に対応(1色で標識)不要標的遺伝子ごとに必要(1色で標識) 標的遺伝子ごとに必要(2色で標識) 蛍光プローブ ABC法競合法Universal QProbe法インターカレーター法Qprobe法TaqMan Probe法内部標準法リアルタイム法表1 定量的PCR法の特徴の比較図9 Universal QProbe PCR法とABC-PCR法の実用化へのシナリオ*(株)J-Bio21の試算に基づく○×○マルチカラー検出○×○SNPタイピング○(最短翌日)○(最短翌日)×(1~2週間)準備に要する時間*○(1遺伝子:約6千円)◎(1遺伝子:約2千円)×(1遺伝子:約2万円以上)コスト*(プローブ・プライマー)○(非特異産物は検出せず)×(非特異産物も検出)○(非特異産物は検出せず)特異性インターカレーター法 蛍光プローブ法Universal QProbe法従来法表2 Universal QProbe法と従来のリアルタイムPCR法の比較Universal QProbe PCR法ABC-PCR法手法の強み高い特異性(プローブ法の強み)コストパフォーマンス、汎用性の高さプローブの準備期間の短さ(ジョイントDNAの強み)手法の強み正確性(増幅阻害物質への耐性)非リアルタイム法(リアルタイムPCR用サーマルサイクラーが不要)実用化へのポイント既存のリアルタイムPCR法の代替手法として導入実用化へのポイント低コストでの定量PCR法の新規導入正確性の高い定量PCR法の導入製品候補:ジョイントDNA、蛍光プローブ等製品候補:蛍光測定装置、試薬キット等将 来 へ の 展 望Universal QProbe法とABC法を組み合わせた新規技術の開発等温遺伝子増幅法と組み合わせたOn-site遺伝子定量装置モバイル型遺伝子定量装置、の開発遺伝子解析の受託サービス製品候補の持つ市場での価値・インパクトプローブの合成に要する準備期間の短さ迅速な(納期の短い)データ提供を可能とする遺伝子解析受託サービス製品候補の持つ市場での価値・インパクト安価な蛍光測定装置の上市による遺伝子定量技術の新規導入における導入コスト低減
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