Vol.3 No.2 2010
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研究論文:紫外線防御化粧品と評価装置の製品化(高尾ほか)−131−Synthesiology Vol.3 No.2(2010)製品メーカーと緩やかな情報提供関係を構築した(02年)。この協力関係を使い、第2種基礎研究レベルを達成するための製品化の課題(化粧品原料基準(粧原基)に違反しない具体的な材料種情報等)を得た。次に外部予算を用い、実機レベルの粉体合成パイロットプラントを建設(03年)し、上記の社会的課題より先に、3.1節の技術的要素を解決した。以上、原料メーカー・製品メーカーとの受託研究契約(07年)を経て、粉体系材料を製品化(10年度予定)するという、関係調整を行った[1][2][14]-[21]。<粉体特性評価装置の製品化作戦>上述の材料開発から派生して、滑沢性評価についても、第1種基礎研究レベルの進展(滑沢性の簡易型評価法のアイデア等)は得られた[2]。しかし、紫外線防御化粧品に高滑沢性を付与できる原料粉体の設計指針や、他のセラミックスの製造現場への品質管理技術を提供可能な第2種基礎研究レベルとしては、完成度不足であった。一般に評価技術は、独自性・希少性を要求する材料型製品とは違って独占利用させるより、JISやISO等の標準化規格のように、汎用性を訴求する複数チャンネルを有したプラットフォーム化、例えば会社組織による評価受託請負形態等が望ましい。一方で、株式会社等の組織形態は、歴史を辿れば航海の度に募集される籤のようなもので、現在であれば宇宙探査並みのリスクがある[12]。現下のような困難な社会的状況で、これを緩衝化する一手として、公的ベンチャー論が展開されている[6][7]。そこで図6のように、産総研のTLO制度を活用し、滑沢性評価技術の受託評価や評価装置開発の公的ベンチャー[16]を起業した(05年)。これを市場の窓口に、日常業務として複数企業からの受託評価を行って、第2種基礎研究レベルを達成するための製品化課題(=品質管理技術として不足している評価パラメーター等)を明確化した。結果、3.1節の技術的要素(①高いUV防御性②高い可視光透過性③高い滑沢性)の中の滑沢性向上に資する原料粉体の設計指針を提供できた。同時に、製品化レベルの垂直応力を変化させる粉体層せん断力が垂直応力に応じて一次直線的に変化垂直応力 (N / cm2)せん断応力 (N / cm2)305050604080クーロン粉体Y=0.5X+25θ=内部摩擦角粉体「層」(3次元)粉体「層」(3次元)(c)(b)(a)顆粒針状膜状粒状絹雲母[15]液滴100 nm100 nm100 nm100 µm1 µm10 µm粒状膜の境界部(b)(a)(c)(d)スラリー~溶液状態数100~数千℃数~数10 μm1 µm図7 技術的成果:形態制御バリエーション(a)粒状被覆・複合粒子:雲母表面に粒状チタニアナノ粒子が均一に複合化(b)膜状被覆・複合粒子:雲母表面にチタニア薄膜が均一に複合化(識別し易いように膜が剥離した部分のFESEM写真を示す)(c)針状被覆・複合粒子:雲母表面に針状チタニア粒子が均一に複合化(d)雲母・顆粒体(中実):その他、中空体や、チタニア顆粒(中実・中空)も可能図8 技術的解決策:簡便な「内部摩擦角」の定量化法を確立(a)産総研認定付与ベンチャーで製品化した評価装置の中心部(b)新手法「自乗法近似モデル」の模式図(c)評価パラメーター:内部摩擦角

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