Vol.3 No.2 2010
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研究論文:学問分野を超えた「システムデザイン・マネジメント学」の大学院教育の構築(神武ほか)−126−Synthesiology Vol.3 No.2(2010)能力と科目のマトリックスについても、カリキュラム設定の考え方や講義のポイント、工夫を説明するために表2の記述含め、修正致しました。具体的な説明をさせて頂くために特に必修科目に焦点を絞って3.1項に記述しました。選択必修科目、選択科目については表3として添付しました。議論4 システムデザイン・マネジメントを学ぶための教育方法コメント・質問(赤松 幹之)学ぶ方法としての講義、ALPS、またSDM研究が挙げられていますが、構成的研究のために、講義で学べること/学べないこと、ALPSで学べること/学べないこと、SDM研究によって学べること/学べないことを、整理していただけると良いと思います。また、システムデザイン・マネジメントは、教育でどこまで学ぶことができるのか、教育の限界はどこにあるのか、といったことにも言及していただけると有益です。回答(神武 直彦)理論的なことを講義で学び、そこで得た知識や手法を用いて、ALPSにおいて一定の期間5-8名程度の決められたチームによってシステムをデザインする、各学生が研究を行う、というのが基本的な切り分けです。ただ、講義においても得た考え方や手法を実際に手を動かしながら学ぶというインタラクティブ性を重視しており、ALPSや研究実施の過程で必要に応じて講義を受講する、学生が自ら講師を招いて理論的なことを学ぶということを推奨しているため相互補完的な関係になっています。また、個々の専門性は、それぞれの学生による研究の過程で高めていく形になっています。学生の大半が実務経験者であり、それぞれが各専門分野での課題をSDM研究科に持ち込み、研究を行っています。そのため、SDM研究科にてシステムに関する全ての分野を常に網羅することはできませんが、教員および学生が多様な専門性を既に持っており、「半学半教(学ぶ者と教える者の分を厳密に定めず、相互に学び合い教え合う仕組み)」の形式でそれぞれの専門的知見を教え合うことができるため、本研究科のやり方により実質的にはあらゆることを扱うことができると考えています。しかし、それぞれの学生によって専門性や問題意識が異なるため、システムデザイン・マネジメントについて学べることは、その学生の問題意識の強さ、視野の広さ、行動力の有無に依存するところが少なからずあると考えています。その点を課題として認識しています。そのため、その点4.5項に以下のように記述しました。「大規模・複雑システムの問題を解決するために必要となる基本的な考え方や手法は、必修科目群によって全学生がある程度身につけられていると感じている。一方、その考え方や手法を社会・産業界で適切に使いこなすには、必修科目以外の科目をSDM研究科および他の大学や大学院で受講し、学生自らが研究や実際の業務で試行や適用を行う必要があり、その点での教育の成果の大きさは各学生の問題意識の強さ、視野の広さ、行動力の有無などに依存するところが大きい。この課題を大学院教育で全てを解決することは難しいが、SDM研究科による社会・産業界との密接な連携や各指導教員による学生への個別指導、多様な人材で構成される学生同士のさまざまな交流を更に促進することで解決できることも多いと考えている。」質問5 文理融合や国際連携コメント・質問(赤松 幹之)システムデザイン・マネジメント研究科の取り組みとして多くのことが列挙されていますが、例えば、文系・理系の枠を超えた人材交流によって何を学ぶのか、国際連携教育とシステムデザイン教育との関連はどのような点にあるのか、などについて、具体的に説明があると読者が理解しやすくなると思います。回答(神武 直彦)○文系・理系の枠を超えた人材交流によって何を学ぶのか? 実社会は文理融合型であり、技術システムや社会システムのデザインのためには、経済学、政治学、理工学など多様な分野の知識や経験が重要だと考えています。そのため、実社会と同じ構造での学びが可能であるということがSDM研究科での文系・理系の枠を超えた人材交流の意義だと考えています。実際、修士課程1年生が全員受講するALPSでは、チーム構成において、文系理系のみならず、国籍、実務経験の有無、年齢、男女が異なる多様な構成になるよう考慮しており、(言語のみならず)言葉の違い、考え方の違い、専門性の違いを生かしあって特定の課題を解決していく力を身に付けてもらっています。具体的には、4.2項の記述を追記修正し、具体例を記述しました。○国際連携教育とシステムデザイン教育との関連はどのような点にあるのでしょうか?具体的な事例の事例によって、我々の現在までの取り組みの成果を説明するために4.1項~4.4項に記述を追記修正しました。特に、ALPSについては、あるチームの活動を説明することによって学生が獲得した能力や知識、学生によって創造されたアイディアについて説明しています。
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