Vol.3 No.2 2010
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研究論文:学問分野を超えた「システムデザイン・マネジメント学」の大学院教育の構築(神武ほか)−118−Synthesiology Vol.3 No.2(2010)日間)とその間のグループ学習を行い、学生は5-8名のチーム毎にシステムライフサイクルの全プロセスを体験し、最終回にはシステム提案の発表と議論を行う[11] [12]。図6に年間のワークショップおよびグループ学習の流れを示す。3大学の教員はテレビ会議も含めほぼ毎月ALPSの講義内容や方法について調整を行う。共通コア科目を中心に多くの科目と関係深い科目であり、学生は本科目を中心に個々の講義を理解し、個々の講義で得た知識を本科目に適用できる仕組みになっている。本科目については、文献[12]で詳細を紹介している。3.1.6. システムデザイン・マネジメント研究修士論文研究に相当する。ただし、従来型の個人研究とは異なり、グループによってプロジェクト形式で学問分野を横断的に研究を実施し、安心・安全、環境共生、社会共生を含む社会のニーズに合致した研究を行うことを推奨している。学生は、プロジェクトにおいて個人で行った部分について論文としてまとめる。3.2 教員SDM研究科専任の教員12名と数10名の特別研究教員および招聘教員を教員として採用した。産業界での実務経験者が多くを占めることが一つの特色であり、宇宙航空、原子力、自動車、情報、精密機械といった技術システムや、金融、政策、財務、農業といった社会システムに関する大規模・複雑システムの実務経験があり、その分野での高度な知見や能力を持った人材を教員として構成した。海外からの学生を対象とした講義や海外の教育研究機関の教員や研究者との連携による教育を可能にするため、英語での講義が可能であることを採用の条件としている。また、SDM学に関連する学問の世界的な動向を学生に提供し、ファカルティ・ディベロップメントの一環として教員の知識を向上させるために、海外から毎年10名程度の講師を招聘し、主に共通コア科目に関連した講義を集中講義や遠隔講義にて実施できるようにした。3.3 教育施設設備教員と学生、もしくは学生同士のコミュニケーションやグループ学習を促進するためにフリーシーティング型用語5の学生居室とし、各学生には教材や実験機材を保管する個人ロッカーを提供するようにした。専門を同じくする教員と学生毎にスペースを壁で区切る従来の研究室型と異なり、学生固有の座席が存在しないが、様々なコミュニケーションやグループ学習毎に学生がその目的に応じて部屋や座席を確保し、互いに議論できる形態になっている。教員の居室はフロア内の一区間に集中させ、教員同士が頻繁にコミュニケーションできるレイアウトとした。全ての講義を専属のスタッフがビデオ撮影し、講義資料と共にオンラインで配信するe-learningシステムを構築し、物理的に講義に出席できない学生に教育機会を極力提供できるようにしている。遠隔地の学生や教員、関連機関との議論、会議を行えるようにするために多くの会議室にテレビ会議システムを導入した。大規模・複雑システムを扱うにはシステムデザインやシステムマネジメントを支援するシミュレーション技術やモデリング技術の能力を向上させる必要がある。そのため、それらの技術を扱うソフトウェアを学生はネットワーク経由で自由に利用できるよう環境を整備した。また、コンカレントデザイン用語6を行うことを目的とした大規模ワークステーションと複数の高精細ディスプレイで構成されるコンカレントデザインルーム(図7)を整備し、学生が複数の端末を持ち込むことでネットワークを介して様々なシステムを対象としたデザインを行うことができるようにした。3.4 研究拠点産業界における多種多様な課題をSDM学の適用によって解決すると共に、得られた知見を蓄積し、SDM学を発展させるための研究拠点として、SDM研究科附属のSDM研究所を開設した。産業界や学術界との連携によって様々な課題を解決することを目的に設立した研究所であり、各Final PresentationShow case PrototypeElevator PitchSystem ArchitectureQuality ScorecardingNet Present Value AnalysisConcept PresentationTeam FormationSetting the ThemeStakeholder IdentificationScenario GenerationInterviews, ObservationQuality Function Dev.Concept DevelopmentPrototyping RapidlyTowards Robust DesignDesign of ExperimentsDesign for VarietyDecision under UncertaintyKickoffVisit1Visit2Visit3Visit4Visit5Mid-TermReviewFinal ReviewJune 25&26, 08Sept. 24&25, 08May 19&20, 08Nov. 17&18, 08Feb. 18&19, 09Team Project図6 ワークショップおよびグループ学習の流れ図7 コンカレントデザインルーム
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