研究論文:実時間全焦点顕微鏡の開発・製品化(大場)−268−Synthesiology Vol.2 No.4(2009)このIQM値は、オートフォーカスカメラであれば1点もしくは数点だけを計算しその値に応じてピントを駆動すれば良いが、全焦点画像を得るためには各画素点において計算を33 ms以内に効率よく行う必要がある。このハードウエアの限界を克服するために著者らが考えだしたアルゴリズムにより構成的にメモリを効率化する手法を以下して述べ、次章ではハードウエアの特性を使って処理速度を効率化した構成を紹介する。このIQM処理をすべての画素点で行う際に、焦点距離の異なる前画像を一時的に蓄えてから処理を行うのは非効率であることから、以下に示す(1)-(7)ステップの逐次型アルゴリズムにより構成を構築した。図4、5にはそれぞれ、代表的なシステム構成図とフローチャートをそれぞれ示す。この逐次型アルゴリズムを用いて、焦点距離を変えながらこの逐次処理を行い、焦点距離を最後まで動かすことで、最終的に更新されたイメージメモリのそれぞれのマトリックスが全焦点画像(AIF)と奥行き画像(DEPTH)になる。IQMの算出式は複雑そうに見えるが、画像処理技術としてはラプラシアンと平滑化を行っているだけである。ラプラシアンは二次微分であり、デジタル画像の世界では微分は隣の画素との差分であり、これを2回行えばラプラシアンになる。平滑化はいわば平均である。この二つの処理は四則演算であり、高速化が可能なハ-ドロジック回路に適している。通常は異なる奥行き画像の枚数分N枚のメモリを持ち、それぞれのIQM画像を出した上で、同じ画素位置のIQMの値を比較することで、全焦点画像と奥行き画像を獲得していた(合計2N+2枚の画像メモリが必要)。これに対し、この逐次アルゴリズムでは得られた画像をその場で逐次比較するため、原画像とIQM画像、全焦点画像、奥行き画像の4枚の画像メモリだけで済み、メモリの容量を軽減できるだけではなく、後述のハードウエアによる構成が容易となった。(1)初期化 init(IQM);(2)焦点距離移動 for(FV=0 to FVMAX){(FV:焦点距離) mov(FV); 焦点距離移動(3)画像入力 IO=input; 画像入力(4)ラプラシアンフィルタ IL=lap(IO); 前処理(5)メディアンフィルタ(平均フィルタ) IM=ave(IL); 前処理(6)画像の各画素の輝度値の比較と、それに応じた画像データのコピー if(IM(x、y)>IQM(x、y)){ IQM(x、y)=IM(x、y); 評価値更新イメージメモリ(IO)イメージメモリ(AIF)イメージメモリ(IQM)イメージメモリ(DEPTH)可変焦点レンズ統合部前処理部高速CCD256*256*8bitsIOIMIM1000fpsNTSCビデオ出力30fpsNTSCビデオ出力30fpsFVAIFIQMDEPTHDACAmp.Iaplacian filtermedian filter If IM(FV,x,y)>IQM(x,y)IQM(x,y)=IM(FV,x,y): 評価値更新AIF(x,y)=ORG(FV,x,y): 全焦点画像作成DEPTH(x,y)=FV: 焦点距離情報作成If IM(FV,x,y)>IQM-min出力 AIF(x,y),DEPTH(x,y)YYY焦点距離制御 mov(FV)ORG(FV,x,y)ORG(FV,x,y)IM(FV,x,y) FV=0 FV
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