Vol.2 No.4 2009
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−337−Synthesiology Vol.2 No.4(2009)インタビュー:工学の克復とシンセシオロジーは高校以降の教育の工夫です。違ったアイデア同士が戦い合うという環境をつくるということです。それは「夢」、「好奇心」を持つということです。デザインこそが人間の本質的能力であり、工学の源泉小野 今のようなお話は、「デザインこそが人間の本質的能力である」ということと関係があるのでしょうか。長井 そのつもりで申し上げました。極端ないい方をすると、今の日本の経済学部、法学部と工学部をひっくるめて新しい工学部をつくってもいいのではないかというくらいに思います。小野 それを総称してデザインということになるわけですね。きょうのお話の中で、科学と技術の対比が非常に興味深かったです。西洋の科学は神のためという明確な目的があるが、日本では科学は何のためにあるか明確には語られていないし、面白いというだけではこれからもたないだろう。しかし、日本の工学はこれまで2度輝いてきたし、3度目を目指しているという、優位な位置にあるという状況がよくわかりました。これを明確な言葉にし、旗幟鮮明に掲げることが必要ですね。これは戦略作りと同じことかもしれません。長井 戦略作りは大事だと思います。これは第3の工学の輝ける時代のための課題です。 小野 貴重なお話をありがとうございました。本インタビューは、2009年8月19日、つくば市にある物質・材料研究機構において行われました。略歴長井 寿(ながい ことぶ)1977年東京大学工学系大学院修士課程修了後、同工学部助手を経て、1981年金属材料技術研究所(2001年より物質・材料研究機構)に配置換えとなり、その後、力学研究室長、超鉄鋼研究センター長等を経て、現職(領域コーディネータ 環境・エネルギー材料担当)。工学博士(1981年、東大)。日本学術会議連携会員。専門分野は金属材料学(微視組織と力学特性の関係解明、低環境負荷と高機能の両立設計などが基本テーマ)。

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