Vol.2 No.3 2009
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研究論文:ガス中微量水分測定の信頼性の飛躍的向上(阿部)−236−Synthesiology Vol.2 No.3(2009)で行っている議論から、現在の実験条件ではそれほど大きくないと思っています。得られた感度係数が正しいとすると、室温変動による不確かさを他の成分の不確かさに比べて小さくすることは、今のところ難しい問題にはなりませんので、温度差が生じる原因については、現時点ではこれ以上の検証を行っておりません。議論8 水の純度の影響質問・コメント(五十嵐 一男)微量水蒸気を発生させるに当たり、吸着・脱着水分、ゼロガス中の残留水分、ガス流量計の検討など多くの要因が分析をされていますが、基本となる水自体の純度には何も触れられていません。水蒸気圧に影響を与えない程度の純度が確保されていれば問題ないからでしょうか。回答(阿部 恒)水の純度についてはよく質問を受けるのですが、紙面の都合もあり本文では触れられなかったので、ここで説明します。本研究では超純水製造装置で高純度化された水を使用しています。ただし、水の純度自体が直接大きな問題になることはありません。これは水分蒸発速度を単位時間あたりの拡散管セルの質量変化として測定しているので、水の中に不純物が含まれていたとしても、拡散管セルの中に留まっている限りは問題にならないからです。水の中にガスが溶解している場合は水と一緒に蒸発するので不確かさ要因の1つとなりますが、上記の超純水製造装置の利用によりそのようなガスも取り除かれていると考えられ、その影響は無視できるレベルと考えています。また、測定は拡散管セルを高純度窒素雰囲気の発生槽に入れて十分長い時間(通常10日間以上)が経過してから行いますので、もしガスが残っていた場合でも窒素で十分置換されていると考えられます。最後に水溶液中に溶解している窒素ですが、発生槽内圧力150 kPa、温度25 ℃の状態で飽和しているとしても、物質量分率で0.002 %以下ですので、これの影響も無視できると考えています。

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