Vol.2 No.2 2009
95/108

−182−Synthesiology Vol.2 No.2(2009)座談会:シンセシスな研究について加藤 はい。複数の外部機関が関与すると、知財の問題などいろいろあるので、記述は難しいと思うのですが、外部機関側からの共同で開発した経緯なり、コメントが掲載できると良いと思います。岡崎 目的に向かって進むに当たっては選択肢がいくつかあると思うのですが、「なぜ、それを選んだか」というのは非常に知りたいところなので、そういった部分を書いていただきたいと思います。自分と類似した目標を持っている研究が違うアプローチによって成功している例もあると思うので、それらを分類して、シナリオを比較できると、今後ジャーナルの投稿数が増えるに従って、過去にどういうシナリオがあって、なぜそのシナリオを選んだのかというように、「シナリオを基準にした論文引用」ができるようになるし、自分たちの場合はどうだろうかというふうにイメージしやすくなると思います。 菅沼 コア技術をもとにして応用展開していくタイプと、ゴールを設定して向かっていくタイプがあるという議論がありましたが、そもそもゴールを設定しない研究なんてあり得ないと思うのです。タイプ分けは、どこをスタート地点として見るかということでだいぶ変わってくると思うのです。全体像が見えるような、歴史背景も含めた論文だとSynthesiologyとしてわかりやすくなると思いますが、長編になってしまうかもしれないですね。松廣 論文としては、ゴールがあってそれにどういうシナリオでという構成で書かれていると思うのですが、研究者の立場からすると、コア技術をまず培って、それを活かすほうが多いと思います。研究者側にとって役に立つという意味では、実際のコア技術から発展してというシナリオがあるといいし、それをどのように実用化に向けて、スピードアップさせていくかというような方法論をコア技術から書いていただくといいと思います。大橋 一番期待しているのは構成学そのものの論文です。「研究生活に役立つ構成学」があって、「今こういう研究がある」と入れると、シナリオジェネレーターみたいなのが最後までつくってくれたり、今、自分で考えていることが二つあるけれども、どっちを研究したらいいのかなというときに、どっちをやったほうが自分の人生が終わったときに最終的な価値が高まるかを数値化できるような基準であったり、あとは自分が悩んだときに、こういう他の事例ではこういう失敗例があったけれども、成功例はこういうタイプでしたというような博物学的なデータベースがあると最高です。赤松 抽象化した表現で、こういう構成をするといいですよと書いたとしても、実際に自分の研究にその抽象化したものが当てはめられるかどうかの判断は結構難しいですし、そういう意味では事例でやっていくしかないのかもしれないですね。大橋 これまで出たSynthesiologyの中の事例をシナリオ典型分類として一つの論文としてまとめていただけると使いやすいと思います。長田 Synthesiologyは、死の谷と呼ばれている谷間をいかに縮めるかということで構成的に書かれているのですが、筆者の視点で「短縮するためにここを工夫した」というところをシナリオ比較のところで強調していただくと、もっと参考にしやすいと思います。それに付随して、「サンプル提供契約書」などのフォーマットをSupporting Informationとして公開しても、同様の研究を進めている研究者にとって谷間の期間短縮の助けになりますし、Synthesiologyらしい試みになると思います。河合 著者が他の論文について感想や批評をするような論文を入れたらいいと思います。かつ対談をして、クロスチェックというか、お互いの論文を批評し合えるようなことが盛り込まれると、読者としては読みやすいと思います。大木 著者は産総研の方が多いので、産総研中心の研究が紹介されているのですが、企業中心で、そこに産総研が共同研究でやっているタイプもあると思うので、企業が中心となった研究についても知りたいということが一つ。もう一つは、大橋さんも強調されていましたが、今から自分がどうすればいいのか、ということを一番知りたいわけです。そのための指針となるような解決法や、出てきた事例をある程度まとめるような形のものがあったらいいなと思いました。遠藤 研究の最初から最終的なゴールの間で、自分がどの位置に立っているのか。著者の主観になってしまうかもしれませんが、研究の流れに対する時間軸を書いていただければおもしろいと思いました。赤松 今後のSynthesiologyの作り方の参考になるお話をたくさんいただきました、ありがとうございました。幅広く読んで、皆さんの研究の糧にしていただければと思います。(2009年3月7 日)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です