Vol.2 No.2 2009
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研究論文:安心・安全な次世代モビリティーを目指して(佐藤ほか)−122−Synthesiology Vol.2 No.2(2009)見失うことはない。今後これを発展させ、特定の人物(介助者など)を自動的に追跡する機能の実現を検討している。図19は人混みにおける経路の自動選択を想定した実験である。同図中 (2)で多数の人物に囲まれてしまったが、全方向を同時に観測しているため、進行可能な方向を瞬時に判断し (4)で自動的に脱出している。人混みにおいては、常に周囲の状況が動的に変化するので、情報収集に時間を要していると、その間に状態が変化してしまう。全方向ステレオカメラは1ショットで全方向の情報を同時に収集することができるので、このような人混みにおいても全方向にわたって常に最新の情報を用いて制御することが可能である。なお、これらの機能は試作機のセンシング能力をわかりやすく表しているのでここで紹介したが、他の「ユーザーを補助する」機能と異なり、電動車いすが自動的に動く。このため、より確実な安全性が求められ、実用化へのハードルは高いと考えられる。しかし、これらのような自動化技術へのニーズは高く、将来へ向けた発展的な機能として研究を進めている。図20に様々な環境下における実験の様子を示す。家具などが複雑に配置された室内空間や、太陽光の直射を受ける屋外空間など、多様な環境において走行実験を行い、安定性を評価した。実験の過程で「安全」と「自由」のバランスが大きな課題となった。極論するとユーザーのジョイスティックの操作にかかわらず停止モードとする(すなわち全く動かない)ことが、ある意味最も「安全」である。逆に安全システムの介入を減らしていくと、より「自由」に動く図16 搭乗者の乗車姿勢の異常を検知して緊急停止図17 搭乗者のジェスチャーを認識して手の届く位置まで自動的に介助図18 自動追尾実験図19 人混みにおける自動経路選択(1)(3)(2)TOUCH ASSISTINGASSIST COMPLETED(1)(4)(3)(2)(1)(4)(3)(2)(1)(3)(2)EMERGENCY STOP

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