Vol.2 No.2 2009
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研究論文:ものづくり産業を支える高精度三次元形状測定(大澤ほか)−103−Synthesiology Vol.2 No.2(2009)り現場における三次元形状測定の信頼性を向上させる。さらに、国内だけでなく途上国に進出した日本企業への支援として、途上国の国立標準研究所への技術支援を行う。このようなシナリオを明確にすることで、国内のものづくり産業の国際競争力向上を目指した。2.2 トレーサビリティの確保と開発目標三次元形状測定の信頼性を客観的に示すことは、国家標準へのトレーサビリティを確保することで達成される。産総研では、10数年前から三次元測定のトレーサビリティ体系の構築を目的として技術開発を行ってきた。これらの技術開発を長さのトレーサビリティ体系とともに示すと図4のようになる。三次元測定では、長さの国家標準であるよう素安定化ヘリウムネオンレーザにトレーサブルな体系となる。製造された製品の形状は、三次元測定機により評価され、その三次元測定機は、さかのぼると、ブロックゲージやボールプレートと呼ばれる標準器により校正され、またその標準器は安定化ヘリウムネオンレーザを使用したレーザ測長器により校正され、さらにレーザ測長器は長さの国家標準であるよう素安定化ヘリウムネオンレーザで校正されているというように上位の標準に切れ目無く連鎖する流れとなる。このトレーサビリティ体系を産業現場において実用的に運用するために、新たに開発を必要とする項目として、①標準器の校正システムに加えて、②民間の校正事業者の登録システム、③標準器を用いた三次元測定機の評価方法の標準化、④測定者の能力向上のための教育システムの4つを設定した。三次元測定のトレーサビリティ体系の構築にあたっては、これら4つのサブシステムの開発を目標として本格研究を行った。これらのサブシステムを開発するために産総研において行った研究内容をまとめると、以下の3つの研究テーマとなる。1)三次元測定機を校正・評価するための標準器の開発(計量標準の構築)2)三次元測定のトレーサビリティ体系構築のための技術開発(校正事業者登録システムの構築と校正方法の標準化)3)高精度の三次元形状測定技術の開発(測定技術の高度化)いずれもものづくりのための三次元形状測定の信頼性向上に寄与する技術開発であり、特に産業現場における測定の信頼性を確保するための基盤的な技術である。3~5章では、上記技術開発に関する具体的な内容を記述する。6章では、現在産総研で三元形状測定技術に関して行っている活動内容、産業現場に計量標準を適用していくための国家標準技術者教育遠隔校正技術開発校正事業者登録制度構築技術支援教育国家標準品質保証高精度製品開発教育地元企業へのサービス校正サービス次世代標準開発途上国標準研究所国際比較国際相互承認校正値同等性確認他国標準研究所校正事業者地域公設研コンソーシアム活動標準化ものづくり現場産総研標準器開発校正手法開発国内ものづくり産業の国際競争力向上技術支援図3 三次元形状測定の信頼性向上のシナリオ

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