Vol.2 No.2 2009
106/108

−193−Synthesiology Vol.2 No.2(2009)編集後記やや発行が予定よりも遅れてしまいましたが、無事第2巻2号を発行することができました。この号には6編の原著論文が掲載されていますが、材料、センサ、計測標準、地質、製造技術、システム、そして研究マネージメントまでにも言及した幅広い内容になりました。様々な要素を考慮して構成するという構成的研究が、様々な側面やスケールで行なわれており、いわゆるフラクタル構造になっていることをあらためて感じさせられます。このなかでも中村論文は研究者と研究組織の30年間の活動を扱っており、寒川論文では千年という時間単位で対象を扱うために考古学を導入して、これまでの方法では得ることのできなかった知識を獲得することで、地震予測という構成的研究をより確実にしようというものです。組織管理・運営また研究者としてのライフワークという視点からも、スケールの大きな研究論文です。少々言葉は悪いですが、いずれの構成的研究の論文にも共通する点の一つは、目的達成のためには手段を選ばないという態度を持っていることだと思います。米国のNISTの大野氏が産総研を訪問された機会を利用して、小野編集委員長と田中編集委員と鼎談を行ないました。大野氏は日本の電機メーカのご出身であり、基礎研究から製品化までを良く理解されている研究者です。構成的研究を推進するためには、その研究が最終的に社会に与えるインパクトをスポンサーなどに理解してもらう必要がありますが、大野氏の場合は照明のデモをとてもうまく利用されています。ちなみに、鼎談の中に赤の発色が良くないという話がありますが、この赤の発色が悪いことをマグロの赤身を使って見せたりされています。日本食が米国での構成的研究を推進することに役立ったのかもしれません。産総研での人材育成として、昨年度からポスドクを対象としたイノベーションスクールを実施しています。そのイノベーションスクールでの重要な教材としてSynthesiologyを使って、輪講形式で講義と討論を行ないました。輪講では、論文内容の紹介と構成学として学んだことなどを発表してもらい、皆で議論しました。本号に掲載した座談会は、その総括として行ったものです。スクール生はそれぞれの分野で研究をしていますが、自分の専門外の論文を選んで発表された人もいました。発表後の議論においては、専門外の内容に対しても皆ポイントを押えて内容が理解されており、なかなか鋭い意見が出ることもありました。他の研究分野の研究であっても、意見がいえるというのが、Synthesiologyの論文の良い所であることをあらためて感じるとともに、異なる研究分野の研究者からの視点で見ることが構成的研究を進める上において重要であることも感じさせられました。今回は始めての試みでしたが、このSynthesiologyは、MOTはもちろんのこと、幅広い研究開発者のための良い教材になりうることが分かったことは大きな収穫です。読者の皆様も、ぜひ教材としての活用を考えてみていただければと思います。原著論文の投稿は産総研の現場研究者に依頼する形でスタートしたのですが、次第に自主投稿がされてくるようになり、さらに産総研外部からの投稿もありました。構成的研究としての主張をお持ちの方が多くおいでだと思いますので、構成学としての知を蓄積していくために、多方面からの積極的な投稿を期待するしだいです。(編集幹事 赤松 幹之)訂正1巻4号の研究論文「ロータリエンコーダに角度標準は必要か」の中の式に誤りがありましたので訂正いたします。ロータリエンコーダに角度標準は必要か ―角度偏差の「見える化」を可能にしたロータリエンコーダの開発― (渡部 司 著)299頁 左段 23行目誤µ=Σδj=A1−−(A1+A2+A3+A4+A5) (2)正µ=−Σδj=A1−−(A1+A2+A3+A4+A5) (2)j=15j=15515151

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です