Vol.2 No.1 2009
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研究論文:創薬の効率を飛躍的に高めた化合物スクリーニング計算(福西ほか)−68−Synthesiology Vol.2 No.1(2009)標的であるCOX2と、胃粘膜保護作用を持つCOX1は、アミノ酸相同性60 %の酵素であり、NSAIDがCOX2だけでなくCOX1を阻害することで胃潰瘍を引き起こすことは問題となっていました。近年、コキシブ系COX2選択性NSAIDが開発されました。そこで、COX2選択性NSAIDと非選択性NSAIDが、タンパク質-化合物相互作用行列の利用で区別できるかを検討しましたが、区別できませんでした。実は、COX2選択性は非常に微妙なもので、COX2を80 %阻害する濃度でのCOX1の阻害は選択的NSAIDで20 %、非選択的NSAIDで80 %程度でした(Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1999, vol 96, page 7563-7568)。したがって、薬物選択性は程度の問題だと考えられます。強い選択性・非選択性は、タンパク質−化合物相互作用行列の利用で、区別できると考え、現在、約1500種類のタンパク質構造をドッキング計算に利用可能な形で準備しています。計算能力の問題で実際の解析はできませんが、近い将来には解析可能になると期待しています。

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