Vol.2 No.1 2009
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研究論文:産業技術の社会受容(松本ほか)−28−Synthesiology Vol.2 No.1(2009)この結果(wij)と製品スペック(skj)から選好関数(式(5)のUik)を定式化し、式(4)のH値を計算し、普及分析に用いた。7.2節で具体的に示す。6 ツールの作成以上のモデルとデータに基づき分析を簡易に行うツールを作成した。図7がツール画面である。画面の左上部分で基本設定とBassモデルの設定を行う。普及係数は数値を直接入力するか、選択肢の過去製品から選択するとその係数値が設定される。右部分で消費者選好モデルの設定とシナリオケースの設定を行う。左中央・左下に結果が出力される。7 分析上節で示した方法とツールを用いて、省エネ型エアコン、省エネ型冷蔵庫、ハイブリッド自動車、高効率給湯器、電球型蛍光灯、太陽光発電システムの普及分析を行った。本節ではその中で省エネ型エアコンの普及分析を示す。エアコンは家庭の電力消費の中で最も多い約25 %を消費している注2)。エアコンは過去約10年でも省エネ性能が向上しており注3)、省エネ型エアコンの普及は温暖化対策に効果を持つことが期待されている。7.1 設定分析では、従来型のエアコン(TAC) と省エネ型のエアコン(EAC) の2種類があると仮定し、消費者はいずれかを選択する。省エネ型エアコンが2000年から普及開始すると仮定し、分析期間を2000年から2040年とした。消費者の選好関数を以下の形とした。 Ui, EAC = wi, 初期価格・tEAC, 初期価格 + wi, 年間電気代・tEAC, 年間電気代+ wi, 環境イメージ・tEAC, 環境イメージ + wi, その他・tEAC, その他 Ui, TAC = wi, 初期価格・tTAC, 初期価格 + wi, 年間電気代・tTAC, 年間電気代+ wi, 環境イメージ・tTAC, 環境イメージ + wi, その他・tTAC, その他 (6)省エネ型エアコンと従来型エアコンの製品スペックは、省エネルギーセンターのHP 掲載のモデルケースを参照して設定した注4)。表3に示す。省エネ型エアコンの最大普及数は家庭用エアコンの現在の普及数である約1億3千万台とした注5)。革新係数と模倣係数はともに過去のエアコンの普及曲線から抽出した係数値(表2)を用いた。省エネ製品の価格は学習曲線モデル図7 普及分析ツール画面CO2削減効果推移予測普及曲線基本設定切り替え消費者選好データのの設定部シナリオ(変化要因) 縦軸 : 消費者数)(横軸 : -選好分布の表示曲線定数の設定製品スペック、学習変化する)(学習曲線や補助金により省エネ製品の価格推移 入力する。 または、係数値を直接 が設定される)。 (当該製品の普及係数 類似製品を選択する普及係数 ( ) の設定i,ECU Up, ri,TR表3 省エネ型エアコンの普及分析の設定項目設定値予測開始年2000年予測終了年2040年最終普及数1億3千万台(今日の普及数)革新係数 ( )0.0069(エアコンの 値)模倣係数 ( )0.148(エアコンの 値)従来製品 : 84,000円省エネ製品 :134,000円学習曲線に影響する価格分50,000円学習曲線定数0.1従来製品 : 27,000円/年省エネ製品 :19,000円/年初期価格年間電気代pprr環境イメージCO2削減効果115 kg-CO2/ 台・年従来製品:0省エネ製品:1

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