Vol.1 No.4 2008
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研究論文:粘土膜の開発(蛯名)−274 Synthesiology Vol.1 No.4(2008)蛯名武雄:柔軟な自立耐熱性フィルムクレーストClaist, FC Report, 23, (3), 109-112 (2005).蛯名武雄:新規耐熱フィルム「クレーストClaist」の開発, 未来材料, (6), 22-25 (2006).蛯名武雄:粘土を主成分とする耐熱性ガスバリア膜の開発, AIST Today, 7 (10), 17-19 (2007).H-J. Nam, T. Ebina, R. Ishii, H. Nanzyo and F. Mizukami: Formability of self-standing films using various clays, Clay Science, 13, 159-165 (2007).白水晴雄:粘土鉱物学-粘土科学の基礎-, 朝倉書店, 57 (1988).E. A. Hauser and D.S. Le Beau: Gelation and film formation of colloidal clays. I, J. Phys. Chem., 42, 961-969 (1938).蛯名武雄:スメクタイトとチタン酸化物の複合体, AIST Today, 7 (8), 22(2007).L.E. Nielsen: Models for the permeability of filled polymer systems, J. Macromol. Sci. (chem.), A 1, 929 (1967).T. Ebina and F. Mizukami: Flexible transparent clay film with heat resistant and high gas barrier properties, Adv. Mater., 19, 2450-2453 (2007).[1][2][3][4][5][6][7][8][9]参考文献半は製品化研究に偏った論文になったが、製品化研究のみに没頭して、公的研究機関としてするべき基礎研究がおざなりにならないよう留意すべきであり、そのためのマンパワーは常に確保しておくことが必要である。現在は粘土の成膜メカニズムの詳細、柔軟性の発現についての基礎研究を行っている。その成果として天然粘土に匹敵する製膜性を有する合成粘土が生み出されつつある。謝辞本成果の一部は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の緊急アスベスト削減実用化基盤技術開発プロジェクト(「高温用非アスベストガスケット・パッキンの開発」)による成果である。塚本勝朗氏、佐倉俊治氏、中村雄三氏(以上ジャパンマテックス株式会社)、米本浩一先生(九州工業大学)、奥山圭一先生(津山工業高等専門学校)、長谷川泰久博士、水上富士夫博士、手塚裕之博士、ナムヒョンジョン博士、川﨑加瑞範博士、手島暢彦氏、鈴木麻実氏、増田和美氏(産総研コンパクト化学プロセス研究センター)をはじめ粘土膜開発に関わった多くの方々に謝意を表したい。用語説明用語1:他部材の上にコーティングされる膜とは異なり、サポート する部材なしで取扱可能な膜。キーワード粘土、本格研究、第1種基礎研究、第2種基礎研究、実用化研究、出会い、コンソーシアム(28)−H. Tetsuka, T. Ebina and F. Mizukami: Highly luminescent flexible quantum dot-clay films, Adv. Mater., in press.T. Ebina, Colorful Clay, Nature (Research Highlights), 454, 140 (2008).中村雄三, 蛯名武雄, 手島暢彦:新非アスベストガスケットの紹介, 配管技術, (8), 88-92 (2007).蛯名武雄:アスベスト代替ガスケットを開発, AIST Today, 7 (4), 22 (2007).蛯名武雄:最新機械機器要素技術 4.4.4. アスベスト代替ガスケット, エヌティージー, 479-481 (2008). 蛯名武雄:セラミックス系新素材“クレースト”の可能性, デンタルダイアモンド, 31 (435), 170-173 (2006).K. Yonemoto, Y. Yamamoto, T. Ebina and K. Okuyama: High hydrogen gas barrier performance of carbon fiber reinforced plastic with non-metallic crystal layer,“SAMPE”08, CD-ROM, Long Beach Convention Center, Long Beach, CA, USA, May 18-22, (2008).蛯名武雄:水素ガスバリア性の高い複合材料を開発, AIST Today, 8 (8), 19 (2008).(受付日 2008.7.22, 改訂受理日 2008.9.1)[10][11][12][13][14][15][16][17]執筆者略歴蛯名 武雄(えびな たけお) 1993年東北大学大学院工学研究科博士課程を修了し、通商産業省工業技術院東北工業技術試験所に入所、2度カリフォルニア大学サンタバーバラ校で在外研究して粘土を含む機能性材料の研究を行う。現在、コンパクト化学プロセス研究センター材料プロセッシングチーム長。2004年以降粘土を主成分とする膜材料の開発に従事する。原料粘土の合成から応用製品の大量生産方法まで幅広く研究する。粘土膜の用途としては合成粘土を用いた透明フィルムとそれを用いた電子デバイスなどがある。 査読者との議論 議論1 論文の全体構成について 質問・コメント(立石 裕) 本格研究全体をまんべんなく記述したため、焦点が不明確になり、シンセシオロジーの主眼である、第2種基礎研究の部分が不十分であるとともに、特に、前半がクレースト開発の「解説」になってしまっているように思います。論文の焦点が、「クレーストの実用展開」の記述にあると思われるので、構成を工夫した方がよいと思います。 たとえば、「研究の夢」が「粘土膜の実用化、具体的な事例としては、アスベスト代替ガスケットの開発」であり、「研究の社会的価値」が「耐熱性ガスバリヤ膜による、新規ニーズへの対応」であるとして、それに応じたシナリオの設定、要素技術の記述とその統合プロセスの記述ができるのではないかと思います。論文としては、時系列的にすべての経緯を網羅する必要はないので、もう少し取捨選択された方がよいと思います。回答(蛯名 武雄) 確かに本格研究の全ての要素の記述を省かないようにした結果、焦点が不明確になっております。指摘いただいた点につきまして、構成を再検討しました。「研究の夢」が「粘土膜の実用化、具体的な事例としては、アスベスト代替ガスケットの開発」であり、「研究の社会的価値」が「耐熱性ガスバリヤ膜による、新規ニーズへの対応」であるとして、それに応じたシナリオの設定、要素技術の記述とその統合プロセスの記述としました。議論2 発想の転換に至る過程の加筆について

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