Vol.1 No.4 2008
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研究論文:ナノテクノロジーから大容量・高出力型リチウム電池の実用化へ(本間)−258 Synthesiology Vol.1 No.4(2008)を用いてキログラムレベルでナノ結晶活物質を量産できる新しい活物質合成プロセスの開発も行いました。議論4 産総研と大学との連携について質問・コメント(小野 晃)長崎大学と産総研の間での連携の状況は具体的にどのようなものだったのでしょうか?単純に長崎大学の技術シーズを産総研に移転しただけというよりも、両者の間で行われたいろいろな相互作用や擦り合わせを、プロジェクトリーダーの立場から差し支えない範囲で結構ですのでご回答願います。回答(本間 格)長崎大学は基礎化学プロセスを開発する上で重要な貢献をしていただきました。産総研では活物質のナノサイズ効果を研究したわけですが、それらの材料合成に適した反応プロセスの選定などもしていただきました。具体的にはプロジェクトで用いた水熱合成法、溶融塩合成法に関して反応速度論的な検討を行っていただき、出発原料や溶媒の種類など基礎的ですが大変重要なアドバイスをいただきました。さらには自動車メーカーからの要望である低コスト合成プロセスの基礎研究も行っていただき、特にカーボン系高容量電極材料の開発では一段階の焼成プロセスで合成できる実用的プロセスの検討も行っていただき、その成果は自動車メーカーの電池開発に生かしてもらっています。また、産総研と長崎大学の連携の面では3年間という極めて短期間でお互いの研究ポテンシャルを最大限に発揮するため、金属酸化物系のナノ結晶活物質の開発は産総研で分担し、また実際の電池電極では導電補助材として必須のカーボン系材料のナノポーラス化と高出力化の開発は長崎大学に分担してもらうことにより、プロジェクト期間中に両者を組み合わせた革新的な大容量・高出力電極の設計を行うことができました。(12)−
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