Vol.1 No.3 2008
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研究論文:実用化をめざしての再生医療技術開発(大串)−175 Synthesiology Vol.1 No.3(2008)(6)−執筆者略歴大串 始(おおぐし はじめ) 1976年奈良県立医科大学卒業、1980年同大学院(生化学)で医学博士。整形外科医として数カ所の病院勤務、1985-1987年米国 Case Western Reserve UniversityでResearch Associateとして勤務。帰国後、臨床応用を目指して細胞を用いた骨再生研究に従事。2001年1月産業技術融合領域研究所入所(主任研究官)、同年4月産業技術総合研究所研究チーム長、2006年セルエンジニアリング研究部門主幹研究員。査読者との議論 議論1 間葉系幹細胞利用技術の必要性 質問(栗山 博)患者由来の間葉系幹細胞を用いる必要性を緒言の中で簡潔に述べておくことが必要と思われます。合わせてiPS細胞の危険性について、なぜなのか具体的に示しておくことも大切に思われます。(なぜ有名なiPS細胞ではいけないのかという素朴な疑問への質問として)回答(大串 始)本文緒言のところにiPS細胞は移植によりテラトーマという腫瘍を形成することを挿入しました。議論2 骨・軟骨治療の重要性質問(栗山 博)4.において、本技術の適用対象である骨・軟骨の再生が必要な症例の数はどの程度あるか、また国内外の需要予測などを記載してはどうでしょうか。さらにこうした医療技術の適用が期待される他の症例と患者数も記載すると、本技術開発の有用性がより明らかになると思いますがいかがでしょう。(患者数を表で示すことも検討してはいかがでしょう。)また、[6]の文献に記載されているのかもしれませんが、骨・軟骨治療に関して実際の症例数、治療結果はどうなのかをここで示してはどうでしょう。回答(大串 始)関節症の患者数と再生医療が適応となる予想患者数を本文に挿入しました。また、心不全の患者総数も挿入しました。実際我々が行った関節症の再生医療数は50数例ですので、50例を超す患者に適応したと記入しました。なお、治療結果の詳細について述べると字数が超えますし、本題と少し離れるかと思いますので人工関節の有害事象である移植部での“ゆるみ”もなく良好な結果を保っていると記入しました。
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