Vol.1 No.3 2008
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研究論文:製造の全行程を考慮した資源及びエネルギー利用の合理化指針(北ほか)−220 Synthesiology Vol.1 No.3(2008)[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12]唐木田健一:エクセルギーの基礎,オーム社(2005).宿谷昌則,西川竜二,高橋達,斉藤雅也,淺田秀男,伊澤康一:エクセルギーと環境の理論,流れ・循環のデザインとは何か,北斗出版(2004).Rant:Exergie,Ein neues Wort fur Technische Arbeits-fahigkeit, Forsch. Ing.-Wes 22, 36-37(1956).有効エネルギー評価方法通則:日本工業規格,Z 9204(1991).森花朋弘,高橋達,宿谷昌則:コンクリートの生産と運用におけるエクセルギー消費の試算,日本建築学会大会学術講演梗概集 D-2 環境工学Ⅱ,495-496(1997).八木順一郎,村松淳司,埜上洋:地球環境から製鉄技術を考える エクセルギー概念によるエネルギー有効利用,CO2排出量の評価,金属,6月号,23-32(1993).高橋達,宿谷昌則:化学変化を伴うエクセルギー・エントロピー過程の計算方法の検討,建築学会大会学術講演梗概集,465-466(1996).Rant, Z: Zur Bestimmung der spezifischen Exergie von Bnennstoffen, Allg. Warmetech. 10, 9, S172(1961).J. Szargut und T. Styrylska:Brennst.-Warme-Kraft,16,12,589-596(1964).信澤寅男:燃料及び燃焼,43,11,49-79(1976).北英紀, 日向秀樹, 近藤直樹,高橋達 :セラミックス製造プロセスにおけるエクセルギー解析,J. Ceram. Soc. Jpn, 115, No.12, 987-992 (2007).H. Kita, H. Hyuga, N. Kondo, and T. Ohji:Exergy consumption through the life cycle of ceramic parts, Intl. J. App. Ceram. Tech.(in print)(受付日 2008.6.11, 改訂受理日 2008.7.9)執筆者略歴北 英紀(きた ひでき) 東京工業大学大学院修了。企業勤務を経て2004年4月産総研入所。企業においてエンジンフリクション、セラミックス材料、プロセス、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)等に関わる研究ならびに生産のマネジメントに従事。産総研入所後は、新規造形プロセスや、熱力学に基づく環境負荷の評価手法について研究。本論文では解析と全体構想のとりまとめを行った。日向 秀樹(ひゅうが ひでき) 大阪大学大学院工学研究科プロセス工学専攻課程修了。同年、(株)いすゞセラミックス研究所(現(株)いすゞ中央研究所)入社。窒化ケイ素基セラミックスの開発に従事。1999年ファインセラミックス技術研究組合に出向、2004年復職。2005年産総研先進製造プロセス研究部門高温部材化プロセス研究グループに所属、窒化ケイ素セラミックスの応用に関する研究に従事、現在に至る。本論文では主にデータ収集とセラミックスプロセス合理化に関する検討を行った。近藤 直樹(こんどう なおき) 1993年4月工業技術院名古屋工業技術試験所入所、2000年1月博士(工学)取得。2007年4月~2008年3月在籍出向(経済産業省)。セラミックスの超塑性変形、高強度セラミックス、高温用セラミックス、低コストセラミックスなど、構造用セラミックスの研究に従事。本論文では主にデータ収集と金属プロセスの合理化に関する検討を行った。査読者との議論議論1 「図2技術と指標の連携の重要性」について質問・コメント(村山 宣光) 図2は、構成学的研究アプローチにおける評価指標の重要性を示すもので、本論文のメッセージの核心です。技術開発と新たな評価指標の間で、「つくる」は何をつくるでしょうか。また、指標から技術開発への矢印は「はかる」ではないでしょうか。逆に技術開発から新たな評価指標への矢印は「高度化」ではないでしょうか。回答(北 英紀) 「つくる」対象は、技術開発という過程の中で得られた1つの製品やプロセスです。評価指標と技術開発の結果を相互に反映させながら向上・発展させていくという意味で、両者を双方向の矢印で結んでおります。「概念」-「開発」-「評価」のサイクルを廻すアクションの結果として、指標は「高度化」され、技術開発は「競争力」が向上すると考え、それらは三角形の外に出しました。議論2 製造効率について質問・コメント(村山 宣光) 例えば、100 %アルミナの焼結プロセスを想定すると、アルミナは参照種であるので、エクセルギーはゼロであり、焼結体に固定化されるエクセルギーもゼロです。したがって、投入された全エクセルギーが異なっていても、「製造効率」は常にゼロとなり、プロセスの違いが表現されません。「製造効率」と表現するよりは、例えば「エクセルギーの部材内固定化率」と表現するのが妥当ではないでしょう。また、「エクセルギーの部材内固定化率」と投入全エクセルギーの2つの値を並記することにより、製造プロセスの全体性能をより的確に表現することができるのではないかと思います。回答(北 英紀) エクセルギーは熱工学にはじまり、それを物質にも適用しているわけですが、粉と塊では結合状態が違っても同じエクセルギーとしている点など、私の理解する限り、エクセルギーを物質に応用する場合、表面や界面エネルギーの扱いなど物理学的な視点での体系化はまだ十分ではないように思います。製造の指標としては課題の1つであり、本文中第5章にもその旨記述しました。議論3 部材の耐久性を考慮した製造プロセスの性能評価について質問・コメント(村山 宣光) 投入全エクセルギーは、自然界の安定な状態からどれだけ離れているかを示しており、いわばコストの科学的表現と言えます。さらに、論文ではセラミックス部材の耐久性の議論を展開していますが、投入全エクセルギーを耐用年数で除した値が、その効果を加味した製造プロセス全体の性能を表現する指標に成りうるのではないでしょうか。回答(北 英紀) 投入全エクセルギー/耐用年数の値は性能を表現する1つの指標だと思います。一方、環境負荷を考える場合、耐用年数(耐久性)自体も重要な目安です。たとえば、投入全エクセルギー/耐用年数の値が同じであっても、耐久性の長い製品の方が、廃棄物の量は少なくなります。議論4 エクセルギーを活用した評価方法の将来方向性について質問・コメント(水野 光一) 今回得られたセラミックスと鉄を材質とするヒーターチューブの比較から、将来的にどのような発展が具体的に示唆できるか、という視点をお考えになっては如何でしょうか? 方向は2つあります。1つは、ヒーターチューブ以外の工程まで広げる考え方で、査読者には助言はできません。<横への広がり> もう1つは、ヒーターチューブをさらに深掘りした発展系です<縦への深掘り>。たとえば、さらにエクセルギー効率を上げるために、鉄の場合リサイクルすることで効率を上げる技術への展望、並びにアルミニウム浴湯への溶解を防止する鉄合金の技術などが期待されます。また、セラミックスの場合、製造工程の内でエネルギー消費の高い造粒工程や焼成工程をさらに省エネ化する技術展望などがあります。後者参考文献(51)−

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