Vol.1 No.2 2008
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−154 Synthesiology Vol.1 No.2(2008)座談会:新しい形式の論文を査読してなことを見せるべきではないかと思うんです。小野 それが、今、我々が求められている部分でしょうね、大賛成です。第2種の成果は、小さくてもいいから明確な形で言えるようになってほしい。赤松 「第2種基礎研究としての成果を書いてください」といったときに、著者が書けるかどうか。先にも言いましたが、「成果とは何か」という話になるんですが、第1種基礎研究の成果は、インパクトの大きい発見、発明ですね。インパクトが大きいということは、その知識がほかの研究者の役に立っているはずです。第2種基礎研究の成果を具体的な製品の形で説明してしまうと、社会の人たちに対する影響を与えたという意味では成果かもしれない。だけれども、第2種基礎研究をやっている人たちに対して強いインパクトを与えたかどうかと考えると、そういう意味での成果という面がなくなってしまう。著者にとってはちょっと辛いかもしれないけれども、「構成学としての成果は何ですか」というふうに著者に投げかけて、著者に書いてもらうという手もあるかなと。 持丸 そこはジャーナルとして、著者に求めるというのが1つはいいと思いますし、著者と査読者で、答えが出るかどうかではなくて、議論してみるのもいいと思います。せっかくこういう査読者公開という場面を持っているので、少し抽象的なことを考える場を設けるといいのではないでしょうか。論文と企業等の関係小林 次に、論文を書くときの企業との関係ですが、特許とかノウハウがあって、書きにくかったことが随分あったと著者のほうでも言っておられるわけですね。それは今後どうするかということですが、このあたりは仕方ないですね。ただ「書けないんです」といったときに、査読者としてはどうしたらいいかという部分があります。ヒアリングとか評価でもそうなんですが、「これは言えません」と言われたとき、そんなら評価できませんよ、になりますね(笑)。五十嵐 ノウハウ的なところって、企業はものすごくセンシティブですね。そこはより厳しく問われると思いますね。湯元 しかし、投稿型に本当になってくれば、そういうところは少し解消されると思うんです。投稿型で、出したいと言ってきて、「もうちょっと書いてくれ」といって、「いや、それはできない」といったら、「載せませんよ」と(笑)。小野 私自身は、たくさんの共同研究を企業とやった経験がないので、やや暴論になるかもしれないんですけれども、今回、幾つかの論文を査読して、そんなことまで出せないんですか、といったようなことがありました。共同研究の枠組みの設定を大きくしすぎていませんかと。自分の研究のオリジナルな部分まで共同研究に含めてしまって、一緒に守秘義務を課せられるというのは、それは研究者としてやり方がまずくないですか、と。暴論かもしれないとは思いつつ、何とかなりませんかね。持丸 私はたくさん共同研究をやっている部類なんですが、基本的に小野さんと同意見です。うちのセンター長も同じ意見で、基本的に我々は公務員的であって、企業のためだけに研究しているわけではないですから、企業と共同研究をしても、我々が活動して得られた基本的な知見や方法論はいずれ公開しますよというのは、もうこれは基本的な約束です。共同研究のときに、皆さんがどうしているかわからないんですが、最終的な学術報告に関することについて相手先とよく詰めていないような気がするんです。 五十嵐 現実問題として難しい部分もいっぱいありますが、契約の段階でかなり詰めることができる状況だと思っています。しかし、特許関係で1年半待たなければいけないなど、これは飲まなければいけない部分もある。小野さんが言われることもよくわかりますが、そういうルールがもう少し明確になって、研究者として、これだけ時間がかかるんだということを頭に入れた中でシナリオをつくっていければと思いますね。オリジナリティと学としての構成学小林 湯元さんが最初におっしゃった論文のオリジナリティの問題、それから「学としての構成学」の方向に向かっているかどうかという論文の本質論ですが、我々は、まず第1号を出してみてどうだったか、第2号を査読してみてど持丸 正明 氏(73)−

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