Vol.1 No.2 2008
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座談会−149 Synthesiology Vol.1 No.2(2008)新ジャーナル査読者座談会シンセシオロジー編集委員会 第1巻2号の発行にあたって、1号および2号の論文の査読者が集まって座談会を開きました。従来にない新しい形の論文を査読するということは、査読者にとってもなかなか難しい作業でした。この座談会では新ジャーナルを査読した印象から、査読者の新たな役割、論文のオリジナリティ、論文の執筆要件の合理性など、多岐にわたる課題について忌憚ない意見を述べていただきました。新しい形式の論文を査読して小林 新しい形式の第2種基礎研究の論文『シンセシオロジー』の査読を皆さまにお願いしたわけですが、これまでの第1種基礎研究の論文の査読と様子が随分違っていたと思います。査読を通じて、最も強く感じられたことはなんでしょうか。 新ジャーナルを査読した印象湯元 原著論文ですからオリジナリティが求められるわけですが、そこをどう出すのかというのが非常に難しかったですね。著者もそうだったろうと思いますが、査読者として、どうやってそこを引き出すのかというところが非常に難しいなと感じました。もう1つは、特許や会社との共同研究の関係もあったりして、なかなか書き切れない、誌面に出し切れない制約があるということも著者から聞いていまして、書ける時期に書いたほうがいいのかなとも思うし、進行形のところで書いてもらうことにも意味があると思いますが、あまりに技術の中身が開示されないと、オリジナリティの判定が難しいといったようなところは感じました。五十嵐 このジャーナルはオリジナリティを第1種基礎研究的なところに求めてしまうと難しいですね。理事長が「シナリオをつくり、それに基づいて研究を進めるに当たって、第1種基礎研究では書けないようなものが多々あるのではないか。そこをきちんと書き表すこともこのジャーナルの重要なところだ」とおっしゃっておられたと思っていますが、その辺があまり出ていなかったのではないか。そこは査読者が著者と意見交換をしながら広めていく必要があると思います。確かに、ノウハウの関係もあるでしょうし、書ける範囲が限られてくるのではないかと思いつつも、その点を感じたところです。小野 査読者は著者の立場と読者の立場とを併せ持っていると思っています。私は、前のお2人よりは若干楽観的に見ていまして、著者に書きたいという思いがあって、それを出そうとしている、そして出せた、という感じがしているんです。前号の著者座談会でも、「ほかのジャーナルでは書けないようなことを今回初めて書けた」と何人かの著者が言っていましたが、そういう著者の意欲というのははっきりとあったのではないか。ちょっと楽観的かもしれませんけれども、私は成功したかなという感じがしています。それから、私は査読者として分野外の論文を1つ担当したのですが、ほかの分野の原著論文を読んだのは初めてで(笑)、今回、こういう立場ですから、ある意味、無理や(68)−
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