Vol.1 No.2 2008
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研究論文:だれでも構築運営できるコラボレーションシステムの実現(江渡ほか)−110 Synthesiology Vol.1 No.2(2008)徐々に修得していくことができるという種類のものです。逆に言えば、そのようにWikiを使いこなしていくことで、徐々にパターンランゲージの思想に触れることができるようになっており、それがWikiの利点の1つであると考えています。Wikiでは、Wiki記法という独自のマークアップランゲージを使って文章の構造を明示する必要があるのですが、たしかにその学習のための負担も無視することはできません。しかし、Wiki記法を使って文章を書いていくことによって、文章の構造に自覚的になるという利点もあります。実際に大学の授業でWikiを教える際には、そのように文章を構造化して書く利点と共にWiki記法を教えることによって、自然とWiki記法を修得させることができました。トレードオフですが、Wiki記法にはそのような利点もあります。この点を御指摘の通り、説明を加えました。議論4 開発の目標とシナリオと要素技術の選択プロセスについて質問(赤松 幹之)「2.3節」の最後にポイントとして4点を掲げていますが、1点目を除いて、MLとWikiの連携が前提となった説明になっていました。できれば、この4点をシステム設計上の目標とする4点として記載して、それぞれを満たすために検討した結果、MLとWikiの連携という方針で行くことにした、というシナリオを書けると良いと思います。(「シナリオ」の記載)同時に、要素技術の選択プロセスがあったと思いますので、MLやWiki以外を検討した結果、それらは採用しなかった、という「選択のプロセス」を書いていただければ思います。回答(江渡 浩一郎)シナリオに関して、ご指摘の通り元の論文では明確になっておりませんでしたので、図1のプロセスに則った章だてにし、現状のコラボレーションの問題点と解決策(ご指摘くださった「管理の容易さ」と「知識の蓄積・構造化」)、その解決のための基本思想、その基本思想に近いWikiを選択、システム設計における基本設計でQuickMLを採用という流れに修正いたしました。選択のプロセスについては、4.1.1にて要素技術としてWikiを選択した理由を述べ、4.1.2にてWikiについて説明し、4.2.1にて要素技術としてQuickMLを選択した理由を述べ、4.2.2にてQuickMLについて説明しております。議論5 運用における改良プロセスについて質問(赤松 幹之) 「4.qwikWebの運用」において、ユーザの利用データの分析の結果を示していますが、これが図1のなかの、フィードバック情報の分析、システム修正、システム運用、のサイクルに対応したセクションであると思われますが、このサイクルによってシステムの修正がどのように行われたかが書かれていません。そういった改良とのつながりが分るようにできますでしょうか?回答(江渡 浩一郎)「6.2 qwikWebの実践例」を設けて代表例を説明いたしました。この「フィードバック」に関しては図1の説明と対応させました。議論6 研究開発の困難性について質問(赤松 幹之)この論文を読むと、簡単にqwikWebが実現できたかのような印象を持ちます。実際には種々の苦労があり、それらを解決した上で実現できているのではないかと想像します。そういった技術的な困難さがどこにあって、それをどのように解決したのかの記述があると、読者の大いなる参考になると思います。回答(江渡 浩一郎)5.2節に実装上の苦労と運営上の苦労を記述いたしました。(29)−
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