Vol.1 No.2 2008
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研究論文−101 Synthesiology Vol.1 No.2(2008)1 はじめに現在、我々は通信技術やインターネット技術の進歩により、時空を超えた情報共有手段を手に入れている。2005年時点でも携帯電話等の移動端末の利用者数が推計6,923万人、パソコン利用者数が推計6,601万人[1]であり、組織内も含め気軽に情報共有し協働作業するシステムを提供できたら、組織内活動、サークル活動、地域活動など様々な創造的活動や経済活動を活性化できると考えられる。しかし、既存のシステムでは、管理が困難であり、ユーザが知識の蓄積・構造化を効率的に進められないという問題があった。そこで、本論文では、表1で示すような、複雑なアクセス制御を必要とせず、管理や習得が容易で知識を蓄積・構造化できるシステムを希望するユーザグループを対象としたコラボレーションシステム:qwikWebを提案する[2]。この設計思想として、ユーザ自身が好みのシステムを構築することを可能とするコミュニケーション・パターンを採用している。また、本システムをデザイン、実装、運用改良し運用データの分析を行うことで本システムの妥当性と有効性を示す。本論文では、次章にてWebシステムの本格研究について論じ、この開発プロセスに応じて、3章にてコラボレーションシステムの現状分析を行う。4章でqwikWebのサービス設計、5章で実装したqwikWebを説明する。6章にて運用したqwikWebのデータ解析と考察を行う。7章で関連研究を紹介して本研究の位置づけを明確にし、8章にてまとめと今後の方針を述べる。2 Webシステムの本格研究Webシステムを開発し実用化するための本格研究プロセスでは、ユーザの利用形態を把握しユーザからのフィードバックを活用したシステム開発が重要である。基本的な設計開発手順は図1のように設計者、システム開発者、ユーザを含めたユーザ参加型のものとなる。まず、現状分析フェーズにおいてサービスの概要や対象とするユーザを設定し現状の問題点を分析する。サービス概要やターゲットユーザは、現状の問題点を見極めることによって決定できるため、この現状分析における作業は同時並行的に進められる。また、既存システムの問題点の洗研究論文だれでも構築運営できるコラボレーションシステムの実現のために、ユーザがグループ活動形態に適したシステムを容易に構築することを可能とするコミュニケーション・パターンを設計思想としたqwikWebを提案する。また、本システムをデザイン、実装、運用改良し運用データの分析を行うことで本システムの妥当性と有効性を示す。 だれでも構築運営できるコラボレーションシステムの実現ー qwikWebを用いたコミュニケーション・パターンの実践 ー江渡 浩一郎*、濱崎 雅弘**、西村 拓一**産業技術総合研究所 *サービス工学研究センター **情報技術研究部門 〒101-0021 東京都千代田区外神田 1-18-13 秋葉原ダイビル 産総研秋葉原事業所 *E-mail:k-eto@aist.go.jp管理の容易さ知識の蓄積・構造化複雑なアクセス制御サイボウズ[3]など×○△○○×qwikWeb表1 既存のコラボレーションシステムとqwikWebとの比較現状分析(サービス概要やターゲットユーザの決定、現状の問題点の分析)サービス設計(設計思想、システム設計)製品版へ(本格運用、メンテナンス、改良)システム実装(要素技術や統合技術)新たなサービスシステム改良試験運用フィードバック情報の分析図1 Webシステムの開発プロセス(20)−

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