Vol.1 No.1 2008
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Synthesiology Vol.1 No.1(2008)−43−研究論文:個別適合メガネフレームの設計・販売支援技術(持丸ほか)1人当たりの回答時間を30分以内にするためにメガネをかけた顔画像216個(顔18×メガネ12)のうち18個を選んだ画像セットを12パターン選定し300名の青年女性に評価させた。評価者にはランダムに選ばれた1パターンを提示し、インターネットを使ったWebアンケートで評価実験を行った。評価方法はVisual Analog Scale法を採用し、評価者は△マークをドラックして得点入力をする(図9)。得られた印象得点を顔の形状特徴とメガネの形状特徴から推定するモデルを、重回帰分析(ステップワイズ法)によって構成した。目的変数に感性用語7組の得点、説明変数に顔の実寸・示数100個、メガネフレーム実寸・示数25個、メガネ玉型主成分得点5個を用いた。すべての感性用語において重相関係数0.784~0.901を得ることができた。重回帰式の変数には、すべての用語で顔寸法、メガネフレーム実寸・示数、メガネ玉型主成分得点が含まれていた(表1)。実験で得られた感性モデル(重回帰式)の推定誤差ならびに実写顔画像への適用可能性を検証するために、(1)実験で使用しなかった仮想顔(2)平均に近い仮想顔(3)変形した実写顔(4)実験で使用した画像にメガネを合成したメガネつき顔画像を12個用意した。このメガネつき顔画像を59名の評価者に提示して、同様のWebアンケートシステムを用いて印象得点を取得した。(4)の結果から検証実験の評価者が評価実験と同質であることを確認した上で、(1)(2)の結果を分析した。残差分析による推定誤差は、いずれの感性用語についても±10 %程度であった。また(3)の実写顔画像での推定誤差も±10 %程度の範囲に入り、実図8 2次元正面顔モデル写画像への適用も可能であることが確認できた。3.5 感性モデルによるスタイル推奨システム3.4節の感性モデルを組み込んだスタイル推奨システムを開発した。これは、図2上方のスタイル推奨部分に特化したもので、2次元のシステムとなっている。PCに接続されたUSBカメラから取得したユーザの正面顔画像から、図8の2次元正面顔モデルを自動的に構成する。ここでは、別途計測したユーザの瞳孔間距離を入力することで、画像の実寸換算を行っている。実寸換算はユーザの座位置とカメラの位置関係を事前に校正しておけば、あえて入力する必要はない。システムにはあらかじめ3.4節の実験に用いた12個のメガネフレームの画像と形状データが登録されており、ユーザの2次元正面顔モデルが得られれば、その顔寸法・示数と、登録されているメガネフレーム実寸・示数、メガネ玉型主成分得点から、即座に12個のフレームとユーザの顔を組み合わせた場合の印象得点が計算される。12個のメガネフレームの印象得点を相対得点化し、メガネフレーム画像と顔画像の合成画像とともに画面に提示した(図10)。4 要素技術連携のポイント本研究の目的は、メガネフレームの個別適合性向上を具体例として、Finding Well-fitting Productを具現化するための要素技術の開発と技術の連携、統合を実現することである。ここでは、図2のようなイメージを具現化すべく、頭顔部形状に適合するメガネフレームのサイズバリエーションを設計する技術、店頭でユーザ個人の頭顔部形状を取得す0.8630.8710.8340.7840.8210.9010.892おおらかな─神経質な自然な─不自然なおしゃれな─ダサい若い─老けた明るい─暗い涼しい─暑苦しい優しい─こわい相関係数メガネ寸法顔寸法玉型PCA1131825811238562531911表1 感性モデル(重回帰式)に含まれる変数個数メガネの感性評価アンケート 17左端のことばと右端のことばが対義語になっています。この顔がこのメガネをかけた写真は、左右のどちらのことばに、どの程度当てはまると思いますか?どの程度当てはまると思う位置に▲を移動して下さい。▲明るい暗い▲自然な不自然な▲涼しい暑苦しい▲おしゃれなダサい▲優しいこわい▲おおらかな神経質な▲若い老けた次へ進む図9 Webアンケート画面
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