技術宝箱
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技術紹介14. 変換効率の高い低コスト色素増感太陽光発電システム1. 開発したルテニウム錯体の特長(1)ルテニウム錯体酸化チタン半導体表面への結合基であるカルボキシル基の位置や数の異なる数種のルテニウム錯体を合成した。(2)ルテニウム錯体の吸収スペクトルルテニウム錯体1-3は、いずれも可視光領域(波長380から780 nm)に中心金属から配位子への電子遷移に基づく幅広い吸収(MLCT帯)を示し、その吸収極大は、既存のN719型のルテニウム錯体色素のそれと比較して長波長側にシフトしていた。この結果はこれらの錯体が可視光領域の光エネルギーを有効に利用できることを示唆している。概要産総研では、色素増感太陽電池の高性能化を目指して、その増感色素として種々のルテニウム錯体の設計・合成を行い、配位子等の錯体構造の系統的な変化による光化学的特性の制御を試みてきた。色素増感太陽電池の実用化のためには、電池性能のさらなる向上とともに、電池の耐久性の向上も極めて重要である。そのため、ルテニウム錯体などの増感色素についても、高温や光照射といった厳しい条件下においても長期にわたって安定であることが要求される。今回新たに開発したルテニウム錯体は、2座配位子のビピリジン誘導体がトランス型に配位された安定な構造を有し、これを色素増感型太陽電池の金属酸化物半導体電極を修飾する増感剤として用いると、従来の同種のルテニウム錯体を使用した場合に比べ、エネルギー変換効率を高めることができる。色素増感太陽電池の構造と作用機構 1 2 386中小企業のための技術宝箱

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