技術宝箱
82/333

技術紹介13. 太陽電池性能評価用ソーラシミュレータ用光源装置1. 本技術産総研では、太陽電池の評価方法を研究開発している。われわれの開発したソーラシミュレータには、以下の特長がある1.立ち上がりの早い発光パルス2.長寿命の光源ランプ3.ランプ光学系の工夫今回、開発した技術により、安価でランニングコストの安い高性能のソーラシミュレータ装置を提供することができるようになった。今までのソーラシミュレータは、温度上昇を最低限に抑えるために、瞬間的にパルス光源を用いて太陽電池を評価するので、あまりにパルスが短いと太陽電池の応答がよくない場合があった。つまりソーラシミュレータのパルスの立ち上がりが悪いと、太陽電池がうまく応答せず、正しく太陽電池の評価ができない場合があった。 ソーラシミュレータの光源にはキセノンランプが良く使われている。キセノンランプも大型のものを使うと照射面積に対して一様に照射ができるが、電力とキセノンランプ自身の寿命もあり、ランニングコストが非常にかかることになる。しかし、小型のキセノンランプで、大きな面積を一様に照射することができていなかった。これらの課題を解決するために、電気回路を工夫することで、立ち上がりの早いパルスが発生できる回路をつくり、正しく太陽電池の評価ができるようにした。また、キセノンランプの寿命を延ばすために、ランプ構造・材料を最適化することで、10 ms以上の発光パルスを100万回繰り返し発光することが可能な長尺式のキセノンランプを完成することができた。さらにこの長尺キセノンランプを用いて、光学系を工夫することにより、太陽電池の全面積に一様な光を照射できるようになった。これらの技術とさまざまな工夫を組み合わせることで、高性能のソーラシミュレータ装置を実現できた。2. 開発の背景など 産総研では、太陽光発電工学研究センターにおいて、太陽電池の性能評価方法の研究を進めている。太陽電池のトレーサビリティの国内の最上位拠点として、基準太陽電池の校正を通じ、太陽光発電の健全な普及・促進に寄与している。平成17年度以降、国際認証ラベル付き太陽電池モジュールが市場に流通している。自由貿易の観点から、国際単位(SI)の使用、ISO9000s認証、校正・試験期間の国際相互承認を背景にトレーサビリティの確保が不可欠であり、産総研では太陽電池のトレーサビリティを支えている一次基準太陽電池の校正を実施している。図1は、日本の一次基準太陽電池の校正のトレーサビリティを示す。校正値の妥当性は、定期的な国際ラウンドロビンテストで相互に検証し、現在、主要四カ国(日本、ドイツ、アメリカ、中国)の平均値を根幹国際比較参照値「世界太陽電池スケール」として維持・活用している。これら主要四カ国ではそれぞれ異なるトレーサビ概要化石燃料利用による二酸化炭素の発生、また燃料の枯渇などの問題から、自然エネルギーを利用する技術が、数々試されている。自然エネルギー利用の一つとして、太陽光発電が注目を集めて久しい。太陽光発電装置-太陽電池を評価するには、自然の太陽光を使うと条件をそろえて評価することは難しい。また現在の太陽電池は温度が変わること変換効率も変わるために、温度上昇を抑えて測定することが必要で、そのために太陽電池を評価するためのソーラシミュレータが、開発されてきている。80中小企業のための技術宝箱

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です