技術宝箱
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技術紹介12. X線回折法による薄膜のおもてうら判定1. 特長本手法は結晶性の無機材料から有機材料、単結晶から配向性多結晶へと適用可能であり、応用範囲が広い。ハードウェアは通常のX線回折装置があれば、改造し使用できる。2. 開発の背景通常X線回折法では、反転中心がない結晶(表裏がある結晶)の表裏を判定することができない、いわゆるフリーデル則が存在する。だが、結晶を構成する元素のX線吸収を利用することにより、評価可能であることが知られている。しかし、放射光施設が必要、薄膜へは適用できないといった問題点があった。そこで、我々は非破壊で簡便に評価できる技術として実験室レベルのX線回折法により、薄膜の表裏判定法の開発に取り組んだ。検証にはサファイア基板上のZnO薄膜を用いた。ZnOはワイドギャップ半導体、透明導電膜、圧電膜として幅広く応用されている。ZnOの結晶点群はC6vであり、結晶のc軸方向に表裏がある。その表裏に従って、圧電特性(電気分極効果)、ドーピング特性が大きく異なるため、その制御が重要な課題である。3. 技術内容図1は本技術における測定配置を示す。通常X線回折で利用されているθ/2θ配置を用いているが、ソーラースリット等は利用しない。さらに図2に示す通り、通常の特性X線ではなく、連続X線を用いるところに特徴がある。図1 測定配置図2 X線管球から発生するX線のスペクトル概要薄膜結晶の表裏をX線回折法により判別できる技術を開発した。従来のバルク試料のX線回折法による表裏判定技術に加えて、薄膜の膜厚を新たにパラメータとして加えることにより、薄膜試料でも判定できることを実証した。74中小企業のための技術宝箱
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