技術宝箱
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技術紹介11. 殺菌もできる深紫外線ダイヤモンドLED1. 特長ダイヤモンドはシリコンと同じ間接遷移型半導体のために、通常は、ほとんどの励起子が結晶欠陥等による深い準位に捕獲されてしまう。そのため、励起子からの発光はほとんど観測されない。しかし、励起子を高密度(深い準位の密度より高密度)に生成すると、ほとんどの深い準位がキャリアを捕獲したままの状態となるため、新たに励起子から深い準位へキャリアが遷移できなくなり、励起子は直接再結合して発光できるようになる。この原理を用いれば、間接遷移型半導体のダイヤモンドでも、高効率の深紫外線LEDを実現できる。実際に我々は、上記の原理を用いて、深い準位からの発光強度を十分に抑制しつつ、励起子の発光強度を増強させることに成功した(1ページ目の技術の説明の図を参照)。これは、間接遷移型半導体のダイヤモンドでも直接遷移型半導体と同程度の発光効率を有する深紫外線LEDを原理的に実現可能であることを示している。実際、最近、発光出力の高いダイヤモンドLEDの試作に成功し、深紫外線LEDの応用例の一つである殺菌を実証した(1ページ目の技術の説明の図を参照)。間接遷移:半導体の伝導バンドに上がった電子が光を放出して価電子バンドに移るときに、運動エネルギーが必要となる(電子の座標位置が変わる)ような遷移。エネルギーが運動エネルギーに変わり、光として放出されにくい過程となる。⇔直接遷移概要波長が360 nm以下の紫外光源は幅広い応用用途がある。そのため、小型軽量化が可能な紫外線LEDの実現が必要とされている。我々は、ダイヤモンドに特有な高密度励起子状態を利用することにより、波長235 nmの深紫外線を高効率に発光するダイヤモンドLEDの開発を進めている。68中小企業のための技術宝箱
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