技術宝箱
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1. 背景二酸化炭素は温度32℃、圧力7.3 MPa以上にすると、液体でも気体でもない超臨界流体になる。超臨界二酸化炭素は、気体並みの拡散定数と有機化合物を溶解させる性質があり、様々な反応を効率よく行うことが出来る。しかし、超臨界二酸化炭素の極性は低いため、極性の高い化合物やイオン性の化合物の溶解性は高くない。2. 本技術溶解度を高めるために、イオン液体を用いイオン液体-超臨界二酸化炭素多相系反応場を形成した。イオン液体は、室温では液体の塩で、主にイミダゾリウム塩やアンモニウム塩、ホスホニウム塩など有機系カチオンに、各種アニオンとの組み合わせで構成される。イオン液体は、選択的に二酸化炭素を溶解させる。更にイオン液体は、二酸化炭素を溶解することで、イオン液体の問題点の一つでもある粘度が大きく下がる。一方、超臨界二酸化炭素はイオン液体をほとんど溶解させないため、イオン液体-超臨界二酸化炭素による多相系反応場は、物質の溶解する方向性が一方通行であるという特徴を持つ。即ち、主に反応がイオン液体の相で起こり、反応後は超臨界二酸化炭素に主に抽出され、反応が促進される。このように、イオン液体と超臨界二酸化炭素のシナジー効果によりこれまでに無い反応場を提供できる。このイオン液体-超臨界二酸化炭素多相系反応場で、二酸化炭素の化学固定化技術を開発した。即ち、二酸化炭素から、カーボネート、尿素、ウレタン、カルボン酸、アルコール等を合成できる技術である。本発明では、ハロゲン化アルコール、あるいはハロゲン化アルキルとアルコールを反応させると、超臨界二酸化炭素を原料として、カーボネートが収率良く生成する。この際に、ハロゲン化物(塩)が複製するが、超臨界二酸化炭素に溶解しないため、分離精製がシンプルになる。イオン液体-超臨界二酸化炭素多相系反応場によるカーボネートの合成法イオン液体-超臨界二酸化炭素多相系反応場072 技術説明 イオン液体と超臨界二酸化炭素を反応場とするプラスチック原料(アルキレンカーボネート)の高効率合成法1)イオン液体と超臨界二酸化炭素の多相系反応場2)原料はハロゲン化アルコールまたは、ハロゲン化アルキルとアルコール3)二酸化炭素を原料として、ホスゲンを原料にしない1 紹介する技術とポイント二酸化炭素をプラスチック原料にする42中小企業のための技術宝箱
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