技術宝箱
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技術紹介05. どんなものでもうまく混ざるミキサー1. 高圧マイクロミキサー超臨界水は粘性係数が常温の値に比べて、10分の1以下と低く、かつ高流量が設定できることから、高レイノルズ数の乱流条件を適用しやすい。常圧付近のマイクロ操作では、圧力損失を大きくとることができないため流量を低くせざるを得ないが、高圧マイクロ操作では、ミキサーで生じる許容圧力損失に比較的余裕があるため、強制乱流をベースとした混合方式を利用している。2. 超臨界水による有機合成プロセス従来のニトロ化法(ニトロニウムイオンを硫酸により発生させる)ではなく、高圧マイクロエンジニアリング技術を用いて希硝酸を高温高圧水中でイオン化あるいはラジカル化させることに成功した。ただ、強烈な腐食性環境であるので、硝酸導入後の高温高圧部はすべてチタンライニング処理をしたインコネルを用いている。 圧力は40 MPa、温度は200から325℃で実施し、概要一般に、混合は、熱の移動、物質の移動及び反応場形成の重要な操作である。これらを微量で混合するマイクロミキサーは、マイクロ化学プロセスのための重要なデバイスである。幾つかの良好なマイクロミキサーが拡散速度の抑制に基づいて開発されている。ナノ粒子合成用として中心衝突型のマイクロリアクター(KMリアクタ;Kinetic-energy Mixing Reactor)があるが、これらのミキサーは、低温及び低圧条件下で使用するものに限られていた。一方、超臨界水反応が、グリーン・ケミストリーにおける力強い反応として非常に注目されている。しかしながら、反応速度は、これらの条件下では非常に速く、数ミリ秒のオーダで反応を正確にコントロールするのに十分なミキシングデバイスを開発することが望まれていた。今までのマイクロミキサーの材質は主にガラスのものも多く、圧力が上げられなかった。我々の開発したミキシングデバイスは、高温高圧条件で、使用でき、そのためこの条件化で液体になるものであれば、どのようなものでも混合が可能となった。主な特徴を以下に示す。 1. 温度最高500℃、圧力最大30気圧まで耐えられる。 2. 上記の条件で液体になるものなら、どんなものでも混合できる。 3. 混合を短時間で終えられるので、水熱合成に使用すると、副反応が起こりにくい。以上の利点を様々な系に適用した。 ナフタレンのニトロ化実験結果 ニトロ化は225℃以上で進行し、250℃で最大収率91%を達成。32中小企業のための技術宝箱
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