技術宝箱
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技術紹介53. 低温 (10℃) で酵母を使って効率よくタンパク質を作る1. 特長出芽酵母を宿主とした従来の常温でのタンパク質発現系(ガラクトース誘導発現系、重金属イオン誘導発現系、構成的発現系など)は、発現量があまり高くないこと、酵母細胞内に存在するプロテアーゼによる分解、発現したタンパク質が不溶化するなどの問題点を有していた。これらの問題点を解決するため、低温条件下でのタンパク質発現に着目した。出芽酵母の低温適応機構はほとんど知見が得られていなかったため、DNAマイクロアレイを用いて低温(10℃)に暴露した酵母細胞における網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、様々な遺伝子がその発現量を順次変化させることで、酵母細胞が低温環境下に適応していることが明らかになり、また本解析によって約260種類の低温誘導性遺伝子を新たに同定することができた。これらの低温適応機構を利用して、低温条件下において強く発現誘導され概要近年の様々な生物種におけるゲノム解析の進展や日本が誇るヒト由来等のcDNAコレクションの整備に伴い、それらにコードされる多様なタンパク質の産業や医薬品への応用ため、多様なタンパク質の機能を保持した状態で高効率に生産するためのタンパク質発現系が求められている。そのため、タンパク質生産における宿主として多くの利点を有している出芽酵母を用い、また、低温条件下でのタンパク質発現の利点を合わせることで、従来の出芽酵母における発現系と比較して、高い発現量・発現成功率の特徴を有する酵母低温誘導発現系を開発した。320中小企業のための技術宝箱

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