技術宝箱
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技術紹介50. 大きさを考慮する写真合成システム1. 特長・「実寸画素密度」を写真が記憶することで、単純に組み合わせると不自然な合成写真になってしまうところを、地に足の着いた合成写真を簡単に実現できるようになる。・写真に自律性を与え、写真同士が対話することで、表示内容を自律的に調整するという枠組みを提案している。大きさ調整は、自律的な調整の1事例という位置づけになる。・写真に自律性を持たせることで、表示内容の切り替え(笑顔から泣き顔、怒り顔への変化など)が可能になり、文脈(物語性)を創世でき、ゲームや仮想体験教材、芸術作品が作成できる。現在は、実寸画素密度を手入力する必要があるが、以下のようなカメラシステムを作ることで、自動化できる。実寸画素密度は、被写体までの距離Lとカメラの画角φ、撮影画素数H x W、光軸の水平線となす角度θから算出できる。カメラにセンサーなどを装備することで、撮影時に計算できるこのようなカメラで撮られた実寸画素密度付写真の自律型映像があれば、その写真を今回産総研で開発しているHyperStageシステムを使い合成することで、無理なく大きさを捉えられる写真を作ることができる。概要本技術では、重ね合わせるだけで、写真が自動的に拡大・縮小して、背景写真の中に実在するような縮尺で重なり合う仕組みを提供する。本技術の特徴は、写真に「実寸画素密度」を定義することである。実寸画素密度とは、被写体の1 mが写真の何ピクセルで記録されているかを表すピクセル/mの単位の数値である。人物や家具の写真の「実寸画素密度」が、背景写真の重ね合わせた位置の「実寸画素密度」と一致するように、人物や家具の写真の大きさを調整する。重ね合わせる位置を動かせば、人物や家具が背景写真内に実際にあり、動き回っているような自然な合成映像が得られる。そのためには、人物や家具の写真は足元の1地点の「実寸画素密度」で十分であるが、背景写真では、人物や家具の写真が載る可能性のある地点、全ての「実寸画素密度」の集合が必要である。しかし、この集合を取得・記憶することは現実的ではない。そこで本技術では、人物写真等が載る可能性の無い場所にも何らかの値を定義して、「実寸画素密度」の定義域を背景写真全体にする。そして、画像合成に必要な全ての「実寸画素密度」を2つの実寸法から算出する手法を採用する。さらに、実寸画素密度だけでなく、たとえば撮影日時など写真の他の情報も表示に有効活用できる枠組みを考える。そのため、表示位置、表示タイミング、表示内容を自律的に制御する写真:自律型映像AP(Autonomous Picture)を考える。すると図1のように、人物や家具の自律型映像AP1が、背景の自律型映像AP2、AP3との情報交換により、大きさだけでなく、内容も適切に表示することが可能になる。302中小企業のための技術宝箱
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