技術宝箱
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技術紹介04. 様々な溶媒に再分散できるポリイミドナノ粒子1. 特長・ポリイミドナノ粒子は、バルクフィルムと同等の耐熱性、耐溶剤性がある。・アミンと反応させることで、イミド環に開環付加するため、粒子表面に任意の置換基を持たせることができる。・粒子サイズは、100~300 nm・ポリイミドの種類を問わず微粒子にできる。2. 開発の背景ポリイミドは高い耐熱性、高強度、高弾性、耐溶剤性等の優れた特性を有していることから、過酷な条件で使用される材料として用いられている。使用形態は主としてフィルムやバルク成形体である。しかし、ナノ粒子という形態においても、触媒担体、吸着剤、トナー添加剤、炭素材料、フィルム添加剤等の様々な分野で利用可能である。しかし、ポリイミド微粒子を作製する手法は下記のように数例しか報告されていない。1. 高温の1-メチル-2ピロリドン (NMP) にポリイミドを溶解させた後に徐冷 (可溶性のPIのみ適用可能)2. PI溶液中に貧溶媒を添加 (可溶性のPIにのみ適用可能)3. PIの前駆体ポリマーであるポリアミド酸(PAA)を、溶液状態でイミド化させることにより微粒子として析出 (nmオーダーの粒子は得られない)4. PAA粒子を2種のモノマーから沈澱重合で作製した後、イミド化 (保存が面倒なモノマーを出発原料として使用、微粒子内に機能性物質等の添加が困難)5. PAA溶液を貧溶媒に添加し、PAA微粒子として再沈澱させた後、イミド化 (本技術のベースとなる技術、微粒子内に機能性物質等の添加が可能、バッチ法)溶液中で微小サイズの粒子を作製する際には、希薄な条件で作製することが必須であるため(凝集やサイズが大きくなってしまう)、溶媒を大量に使用しなければならない。つまり、大量に微粒子粉末を得ようとすると、作製する微粒子分散液も大量になってしまい固液分離に長時間を要してしまう。また、微小サイズの粒子を得るためには、微粒子析出時の撹拌が重要であり、スケールアップも難しくなる。以上のように、これまで工業化による大量製造に耐えうるプロセスは皆無であった。本技術により、連続製造、ナンバリングアップによる大量製造が容易となった。また、分散媒を再利用可能であることによる使用溶媒の削減、ナノ粒子凝集体生成、濃縮による固液分離の短縮化を達成した。概要産総研では、ポリイミド (PI) ナノ粒子の高効率連続製造法を研究開発してきた。本技術は、以下の特長がある1.閉塞が起こりにくい連続製造法2.分散液作製後、冷却することで分散媒と原料溶媒が相分離し、分散媒を回収、再利用可能3.分散媒回収後は、PIナノ粒子凝集体を含む少量の液体を処理すれば良いため、固液分離が容易4.最終的に得られた凝集体粉末は各種溶媒に再分散可能今回、開発した技術により、ポリイミドナノ粒子凝集体粉末の高効率大量製造を可能にした。26中小企業のための技術宝箱
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